St.R @304


「もう、高嶺くんったら。自分がどれだけたくましく見えるか、全然分かってないんだか
ら」
 鈴芽は気分重たげなため息をつく清麿にじれったさを覚え、やや語気を強めて主張した。
しかし所詮鈴芽の言い分をまともに受ける清麿ではなく、生返事ばかりが帰ってくる。
「そういうのって自分じゃ分からないものなのかな?じゃあ私が証明してあげる、行こう」
清麿の手を取って、鈴芽は駆け出した。引っ張られるように清麿も走り出す。
「おい、どこへ連れていくつもりだ!?」
「フフフ……私の家」



鈴芽は帰ってくるとすぐに清麿を部屋に通し、キッチンからクッキーとオレンジジュー
スを運んできた。両親が不在のため、洗濯物の取り込みと炊飯器のセットをしておかない
とならない旨を伝え、しばらく待っててと言い残して部屋を出る。
「ここが鈴芽の部屋か…」
 清麿は畳の上に腰を下ろすと、テーブルに置かれたクッキーを一つ口に放り込んだ。女
の子の部屋に上がったのは初めてだったが、無数に置かれたキャラクターもののぬいぐる
みがむしろ子供部屋にでもきたかのような錯覚を清麿に与えていた。
(まぁ、水野らしい部屋だよな)
 そう思いながらオレンジジュースを飲んでいると、ふと清麿は学習机の上に写真立てが
あるのに気が付いた。少し好奇心が湧いて立ちあがり見てみると、それは林間学校での集
合写真だった。清麿は懐かしくてしばらくその写真を眺めながら、当時のことを思い出し
ていた。

「おまたせ、高嶺くん」
「ああ、悪い。勝手に見てた」
「林間学校の写真?楽しかったよね〜。カレーとか」
 鈴芽は清麿が一番思い出したくないことを真っ先に言い放ち、清麿を絶句させた。バツ
が悪そうに写真を元の位置に戻すと清麿は再び最初の位置に腰を下ろす。鈴芽もテーブル
を挟んで向かい合うように座った。
「で?証明するとか言ってたけど、結局何してくれるんだ?」
 ジュースを煽るように飲み干すと、清麿は林間学校の話を逸らすため本題を切り出した。
鈴芽は清麿の質問には答えぬどころかクッキーを自分の口に運ぶと、美味しかったのか満
面の笑みが広げ清麿にもっと食べるように勧めてきた。清麿は唖然としたが鈴芽の幸せそ
うな顔を見ているとなぜか和んでしまい、クッキーをひとつ摘み上げた。
コロコロコロコロ…………。
清麿の手からクッキーが転げ落ちた。鈴芽はクッキーの転がっていく様を眺めた後、清
麿に目を移した。清麿は不思議そうに自分の手を凝視したあと空のグラスを握ってみた。
なんとか握ることはできるけど、持ち上げることが出来ない。力を入れることが出来ない
のだ。

「水野…一体何をした?」
「オレンジジュースにちょっと…ね。ちゃんと服用の決まりは守っているから大丈夫だよ」
「な…!?お前…」
 清麿は立ちあがろうかとしたがそれすらかなわない。鈴芽はクッキーとグラスが乗った
小さなテーブルを部屋の隅に寄せると、猫のように四つん這いの姿勢で清麿の顔を覗き込
む。
「抵抗されたら私じゃ敵わないから。ゴメンね、高嶺くん」
「水…!」
 鈴芽は清麿の唇に自分の唇を重ねた。半ば強引に清麿の口へ舌を押し入れると清麿の舌
と絡ませる。別の生き物のように清麿の中でうねる鈴芽の舌に清麿は目を瞑った。
(マジかよ。水野のキス、上手すぎる……)
 激しく、それでいて繊細な鈴芽の舌さばきに清麿は身体を支えきれなくなり、鈴芽に押
し倒される形で二人はゆっくりと倒れ込んだ。それでも続く鈴芽の濃厚なキスに身体の芯
が痺れ、熱くなっていくのを清麿は感じていた。鈴芽が唇を離すと、清麿は顔を真っ赤に
させてかすかに潤む瞳を鈴芽から逸らして短い呼吸を何回も繰り返す。鈴芽は清麿のシャ
ツのボタンを外し始めると清麿は必死で抵抗し始めた。しかしろくに身体を動かすことが
出来ないため、言葉でうったえる。

「やめろ、水野!……もう、やめてくれ……」
いまだに残る理性を総動員して清麿は懇願したが、鈴芽はボタンを外す手を止めなかっ
た。やがてあらわになった清麿の上半身を鈴芽はまぶしそうに眺める。
「ほら、厚い胸板に割れた腹筋。こんなに立派な身体に女の子はたくましさを感じている
のよ」
 そう言うと鈴芽は清麿の身体を舐め始めた。声を殺して耐える清麿だったが、時折感じ
るのか悲鳴に近い吐息を漏らして身体をビクンと震わせた。しばらくして鈴芽は清麿のズ
ボンが膨らんでいることに気が付いた。そっと触れてみると、清麿が一層激しく仰け反っ
てうめく。鈴芽は清麿の股間を衣類から解放してやると、それははちきれんばかりにそそ
り立って鈴芽の関心を引き寄せた。
「本物を見るの、初めて…。これが高嶺くんのなんだ」
 鈴芽は恐る恐る清麿のペニスを握った。太くて固く、力強さを感じさせる熱さに鈴芽は
ドキドキした。愛しささえ感じていた。
「高嶺くんのここってこんなにたくましかったんだ。フフフ…すてき」
 鈴芽は清麿のペニスを咥えた。柔らかい唇が清麿のものを締め上げ、舌が絶妙な動きを
して清麿を快楽へと突き落とす。また清麿のものをしゃぶり、甘い喘ぎ声を聞きながら鈴
芽も自分を濡らしていた。清麿のものが欲しくて堪らなかった。鈴芽は口での愛撫を止め、
立ちあがると自分の衣服を脱ぎ始めた。清麿はイク前に愛撫を止められたため、やや不満
げな眼差しを鈴芽に向けたが、裸体の鈴芽と目が合ってしまい慌てて顔を背けた。言葉で
は嫌がっていたのに、身体が快楽に溺れている自分が急に恥ずかしく思えたのだ。

「高嶺くんのたくましさ、私にちょうだい」
 そう言って鈴芽は清麿をまたいで屈むとペニスを自分の外陰部に当てようとするが、本
物をあてがうのは初めてだったので、なかなか上手くいかなかった。こんな時に鈴芽らし
さを発揮しなくても…などと清麿は思ったが、焦らされているのがかえって高揚感を掻き
立てられた。鈴芽はやっとの思いで膣に亀頭を当てると、一気に腰を落とした。
「あんっっ!!!んん…あああ。…ああん、あっ!!…んぐっん…はぁはぁ……」
 鈴芽は暴れ馬を乗りこなすように激しく腰を上下に動かし、喘いだ。清麿のものが奥に
達して擦れる度に鈴芽は快楽に身を仰け反らせた。清麿も鈴芽が腰を動かずたびに擦れる
ペニスと締めつげ具合の良さに快感を覚え、熱い吐息を漏らす。また、握る拳に薬が切れ
てきたことを感じた清麿は鈴芽の胸に手を伸ばすと激しく揉んだ。
「ひゃあ、痛ッ!」
 驚きと痛みに最初は顔を歪めた鈴芽だったが、やがてはそれすら快楽に変わっていき鈴
芽は清麿の上で艶やかに舞った。溢れる愛液がじゅぷじゅぷといらやしい音をたてる。
「あはっん、はぁ…はぁ…ああああ!あぁ〜、んんん……高嶺…くん。高嶺く…うぐっ!」
全身を紅潮させ、鈴芽は泣きながら清麿の名を何度も呼んだ。清麿も我慢の限界に達し、
一言出ると呟くが早いか、鈴芽の中へ一気に放出した。二人は痙攣したかのように全身を
硬直させ……やがて果てた。


「ただいまぁ〜」
全身を襲う脱力感にさいなまれながら清麿は自宅へと帰ってきた。出迎えたガッシュが
遅いと地団駄を踏みながら怒っている。それをなだめながら自分の部屋へ来た清麿はカバ
ンから本を取りだし、浮かんだメッセージのページを開いてガッシュに手渡したのだった。




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