名無しさん@ピンキー @991


「ようこそ、確かナゾナゾ博士でしたね?」
 拘束された姿で地べたに座るナゾナゾ博士を見下ろしながらゾフィスの声が響く。
「ふん、このおいぼれをどうするつもりかね?」
 自由の利かぬ体でナゾナゾ博士は精一杯の強がりでゾフィスを睨み返した。
 合流した同士共に、一丸となってゾフィスの城塞に突入したものの、瞬く間に仲間たちは分断され、自分はあっさり捕らえられこのざまだった。ちりじりになった仲間たちの安否は今も分からない。
 とはいえここまでの中、千年前の魔物たちの軍勢の約半数を魔界に返していた。ただその業績も今の自分には不利な材料でしかない。そんな自分をロード=ゾフィスがただでおくわけなどないのだから。
(すまんな、キッド、先に逝くぞ)

「どうするか、ですか。そうですね、あなたがたが倒してしまった千年前の魔物たちに代わって私の仲間になりませんか?」
 さすがのナゾナゾ博士も一瞬我を見失った。
 到底正気の沙汰とは思えない。
「正気かね?」
「正気ですとも。あなた方に崩された戦力の補充は必要ですし、なによりもたったあれだけの戦力で我らに挑み、しかもそれなりの成果を挙げたあなた方を私は結構評価しているのですよ」
「ならばお得意の心を操る技で私を好きにしたらどうだね?」
 ナゾナゾ博士の精一杯の強がりもゾフィスには通用しなかった。
「それも魅力的な考えではありますが、私はあなたの精神力と知力を高く評価していましてね、できるものならば自発的な意思によって仲間になっていただきたいと思うのですよ」
「ならば簡単じゃな、答えはノーじゃ!わしは貴様のような卑劣漢が王になることを認めるわけにはいかん、貴様のような悪しき者が王では救われるはずの命すら失われていく、その手助けなど論外じゃ!」
「ほう、ご立派な意思ですね。ですがあなた自身の本心はどうですかな?」
 ゾフィスは邪悪な笑みを浮かべなめるようなまなざしでナゾナゾ博士を見つめた。

「ベルギムE・O、少しダリアを借りますよ」
 ゾフィスが後ろに控える椅子に座る巨大な魔物に語りかけた。
 この魔物の圧倒的な力の前に敗れ、自分はとらわれの身となってしまったのだ。別れ別れになったキッドは無事だろうか?
 その魔物の本の持ち主と思われる女性が前と進み出た。
 そしてナゾナゾ博士のスラックスに手をかけるとジッパーを一気に引きおろした。
「ふっ、色仕掛けかね、残念ながらこの老いぼれの息子は役に立たなくなってもう十数年は経つわ」
 そう、それは悲しいことだが老いと共に訪れる悲しい現実。
「ほう、あのような若々しい戦略を立てるあなたがそうにはとても思えませんがね」
 ゾフィスは相変わらず癇に障る憎憎しい笑みを浮かべていた。
 そんな会話のうちにダリアはトランクスをずり下ろし、隠れていた博士自身を引き出していた。それは悲しいまでに力なくしなだれていた。
 が、その力なかったはずの博士自身が、ダリアが二三度軽くしごくと隆々とそそり立ち始めた。
「そ、そんなばかな。バイアグラも東洋医学もまったく効果がなかったのに・・・」
「こういった問題は身体的なものよりも心理的なもの大きいですからね。無礼とは思いましたがその部分だけは心をいじらせていただきました。無論、いじったのはそこだけですので安心してください。まぁそれだけのことでもその絶大な効果は見てのとおりですがね」
 かつて自分の手術の失敗で孫を死なせてしまったことが、一因であったことは確かだが、それだけのことでこうも効果が出てしまうものなのだろうか・・・。
「ではあなたご自身の意思をお聞かせ願いましょうか」
 ゾフィスがあごで支持を与えると、ダリアはスカートをするするとたくし上げる。
 下着を着けていないため、スカートをあげただけで出現してしまう蜜壷は輝くばかりに濡れそぼっていた。
「ああ、実は彼女もあなたのようなお客様をお迎えするために、濡れやすくなるように調整してあるのですよ。それでは十数年ぶりに復活したあなた自身の快楽をお楽しみください」
 それはメフィスト=フェレスの誘惑。恐怖、背徳こそが最高の快楽なのだということをナゾナゾ博士は実感してしまっていた。

「ぬ、ぬぉぉぉぉぉ」
「け、けけ、けけぇぇぇぇぇ」
 ダリアが拘束されたままの博士自身の上に自らの腰を落とす。
 ぬちゃぬちゃ、といやな音を立てながらダリアの中に博士自身が迎えられた瞬間、ふたりの口から思わぬ声が漏れる。
「ほう、老いたりとは言え、さすがですね。ダリアもいつになくよがっていますよ」
(よがっていたのか?・・・今のは・・・)
 博士が疑問を口にするよりも早く、ダリアがその腰を上下させる。
「うっ、くっ・・・」
 いかに百戦錬磨のナゾナゾ博士とはいえ、久しく感じることのなかった快楽の電撃に体全体が震え始める。自分の意思とは裏腹に体が熱くなり、理性が失われていく。
「ば、ばかな・・・この私が・・・」
「ふふふ、やはりあなたご自身はなかなかに正直な性格をなさっておられるようだ」


「GOOD。とってもすてきな交わりですね。」
 それまで沈黙を保っていたベルギムが始めて口を開いた。
「ベルギム・E・Oはとってもはあはあしています」
「・・・・」
「私も交ざりたいな」
「・・・・」
 さしものゾフィスも二の句を告げることができない。
「そ、そうかね。ではまだ後ろが開いているが一緒にどうかね?」
 理性の失われていく中、博士はなんとか脱出の機会を探そうとしていた。
「く、き、貴様・・・よくも私に後ろだと・・・
 ちくしょうなめやがって
 ベルギム・E・OのE・OはE(エロい)O(オマ・・・)」
「こ、こらベルギム・E・O、この城塞では下品な発言は禁止です!それ以上言ったら石に戻しますよ!」
 ゾフィスに叱られて、ベルギム・E・Oはピタリと沈黙した。
 が、それは同時に博士のピンチがまだまだ終わらないことを意味していた。

「ぐ、ぐはぁ」
 ダリアの上下のストロークがさらに早まり博士を締め付けていく。
 ぬるぬるとしていながらも暖かいダリアの感触は確実に博士の理性を奪い、彼に自分はケダモノでしかないということを思い出させていた。
 やがてダリアの動きに合わせ博士の腰が下から突き上げる動きを始める。
(な、そそんなばかな、静まれ静まるのだ、我が体よ!)
「ほう、思いの外正直な体をしていますね。それでいいのですよ、自分自身の正直な気持ちを開放していくのです。そうすることによってあなた自身の本当の気持ちが見えてくるはずです」
「ぐっ」
 ダリアのストロークがさらに早まり、理性を失った博士の腰も獲物に飛び掛る野獣のごとくダリアを攻めあげる。
「けけ、けけぇぇぇぇぇぇ」
「ほう、こんなにもよがるダリアは初めて見ますね」
(ほ、本当によがってるのか?コレは・・)
 二人の激しい交わりはさらに強まり、互いを締め付けていく。そして一瞬の間を置いて「けけっ!」という高い声と共にダリアの体が大きく反り返り、博士自身をこれまでになく強く締め付ける。
(す、すまん、キッド、先にイクぞ!)
 そして十数年溜まりつづけた博士の魂のほとばしりがダリアの中に開放された。

 行為の余韻の中、びくびくとまだ体中の痙攣の止まらない博士にゾフィスが微笑みかけた。
「どうです、私の力を持ってすればこのような快楽も思いのままですよ」
「断る、それでも私はキッドの、孫の未来を不幸にする貴様などに力を貸すまねなどできぬわ」
「そうですか・・・」
 ゾフィスは残念そうにつぶやくと博士の額に軽く手を当てた。
 一行為あった後にもかかわらずそそり立っていた博士自身が、力なくしなだれ倒れた。
「な・・・」
「このダリアはあなたに差しあげます、どうぞ好きになさってください。
ですが、先ほどの快楽は私の力があってのものであったことをお忘れなく。そのままでは彼女を抱くはできませんね。
 これだけのよい女を目の前にして残念ですね。どうすればいいかはあなたご自身と相談してください」
「くっ・・・」
 ナゾナゾ博士は自分の理性とは正反対の意思に負けてしまいそうな自分を恥じていた。
 だがその意思はとどまることを知らず自分を侵食していく。
 そんなナゾナゾ博士の葛藤とは反対にゾフィスはダリアを起こすと先ほどまで博士と結合していた部分を指でまさぐりながらなにかを考えていた。
「ふむ、やはりただ一度の行為では着床まではいたりませんでしたか。実験にはまだまだ時間がかかりそうですね」
(なに・・・こやつの目的は私を陥落させることの他にもなにかあるというのか・・・)
 ゾフィスは部屋の隅に据えられた水晶玉のところに向かいそのスイッチを入れた。
「さて、本命のこの二人は果たしてどこまで楽しませてくれますかな・・」
 ゾフィスの脇から盗み見ることのできた、水晶玉に映る回廊を寄りそうように回廊を失踪する『二人』の姿にナゾナゾ博士を目を向いた。
(そ、そうか、こやつの本当の目的は・・・。逃げるんだ、清麿くん、恵くん・・・。我々はロードの罠が口を開けている中に飛び込んでしまったようだ)
 そして博士はその意識を失った。



左メニューが表示されていない方はここをクリックしてください