ウメゴン @34


---地下牢---

 かつては本の持ち主となる人間を捕らえていた場所。
以来、使われることはなかったが・・・・・
「さぁ!白状するゲロ!」
静寂な空間に怒声がこだまする。
ビョンコは私を一度睨みつけた後、黙っている私の周りを歩きはじめる。
「・・・・・・」
こうなることは覚悟はしていた。


「人間に休息をとらせている間にグループの再編をするゲロ。」
そう呼び出された場所が地下牢である。
話し合いをする場所としてはあまりにも不自然だ。
きっと私を疑っているのだろう。
とはいえ、今はおとなしく従うしかない。
[月の光]から離れるわけにもいかず、パートナーのアルも心を操られている状態だ。
このまま、仲間のフリをしておくのが一番なのだ。
もしもの場合の手もうってある。

「やっと来たゲロ。」
地下牢にくるとビョンコはニヤリと笑って言い放つ。
「遅れて悪かったわ。」
そう言いながらビョンコの後ろを見やる、・・・・・魔物が2体。
案の定、魔物2体はパートナーの人間も一緒だ。
予想どおりだ、何もかも。
「レイラ?こっちに来るゲロ。」
「・・・・・」
近づきながら辺りを見渡す、どうやら他には魔物はいないようだが・・・
「!」
後ろにいた魔物達が動き出す、私を囲むようだ。
「ゲロ、全員そろったところで話を始めるゲロ。
 ・・・・・その前にレイラ、聞きたい事があるゲロ。」
「・・・何?」
「今日の事ゲロ。お前、侵入者と戦ってよく生き残れたゲロね?」
(来た・・・・・それにしても随分直球ね、もしかして何か証拠があって?・・・・・)
「そうね、侵入者が退いてくれたおかげだわ。」
「しかしお前達千年前の魔物が3組いて相手一人倒せなかったゲロか?」
「あら?4組いて逃げ帰った魔物もいたようだけど?」
「ゲ・・・ゲロロロロロロ・・・・・・・・」

ビョンコは黙ってしまう、自分の失態を指摘されたのだから仕方ない。
「話ってそれだけ?ゾフィスに言われたでしょう、
 明日は侵入者が攻めてくるから今日はもう休みたいんだけど?」
「り・・・臨時召集の時、ロードが言ってたゲロ。
 この中に裏切り者がいないかって・・・それでお前なら何か知っているゲロかと・・・」

(なるほど・・・大方逃げ帰った事でゾフィスになにか言われたのであろう。
それで汚名返上すべく独断で裏切り者の調査を始めたわけね・・・)
それにしても・・・ビョンコの不器用さには呆れてしまった。
正直に話す必要なんてないのに、最初は証拠があっての事かと思ったが
ただ単に尋問が下手だっただけらしい、どうやら心配のしすぎだったようだ。
明日になれば戦闘が始まる、そうなれば裏切り者の話どころではなくなるだろう。
(・・・助かったのね・・・)
肩の力が抜ける。
(明日は慎重に行動しよう、なんとか清麿達を助けないと。)

「・・・・・わかったわ、裏切り者がいたら、あなたに教えてあげるわ。」
「私にも教えてくださいね?」
「!!」不意に後ろから声がかかる。
「ロ・・・ロード!」
・・・ゾフィス!!
(まずい、ここでゾフィスに会うなんて・・・しかも魔物も1体連れている・・・
パートナーのココはいないようだが・・・)
ビョンコがひざまずく。
「ロード・ゾフィスどうしてここへ?」
「いえ、レイラのパートナーが一人でいたものですから一緒に探していただけですよ。」
後ろからアルが姿を現す。
「いけませんねレイラ、パートナーとは常に一緒にいるよう言っていたはずですが?」
「悪かったわ、もう戻るところだったのよ。明日に備えて休まなくちゃいけないから。」
ゾフィスが目を細めて笑う。
「そうですね。皆には明日は頑張ってもらわないといけません。
 ・・・・・あなた達、今日はもう休んでいいですよ。」
ゾフィスは私を囲んでいた魔物に向かって声をかける。
私に向かっては言っていない。
「そうね、おやすみゾフィス。・・・いきましょう、アル・・・」
私は目をあわせないようにその場を去ろうとする。

後ろに注意しながら出口に向かう、出口まであと10m・・・

「ビョンコ、あなたのパートナーはどうしました?」
「ゲロロロ・・・今日は病院の眼科へ行ってるゲロ」
あと5m・・・

「・・・昨日は耳鼻科でしたね・・・
 ビョンコ、あなたのパートナーはもっと健康になれないのですか?」
「ゲロロ・・・申し訳ないゲロ・・・」

前の魔物達に続いて出ようとしたその時・・・
ガシッ!!
突然、アルに腕を捕まえられる。
「な、なにを・・・は、離して・・・アル・・・」
アルはつかんだ腕を離そうとしない。
「ああ、そうだ・・・・・レイラ。」
背後から、ゾフィスが思い出したかのように話しかける。
「よかったら教えていただけませんか?この[手紙]について。」
顔が青ざめていくのが自分でもわかる。

呼び出しを受けた際、もしもの為と備えた保険が仇になるとは。
(しまった!こうなったらアルを引きずってでも逃げるしか・・・)
「クレイド!」逃げようとした瞬間、ゾフィスが連れてきた魔物から呪文が放たれ、
たちまち捕らえられてしまう。
そのままゾフィスの元へ引きずられていくレイラ。
「ロ、ロード・ゾフィス!どういう事でゲロか?」
「手紙ですよ、レイラが侵入者宛てに書いた内容のね。」
「でもどこでそれを・・・」
「おもちゃですよ、レイラが遊んでいた。
 おもちゃに細工がしてあって中に手紙が隠してありました。
 それがこの人間の服に入ってましたので。」
「ゲロロロロロ・・・・・レ、レイラ!お前なんて事を!」
ビョンコが突然怒り出す。
「言え!ヤツラに何を教えた!?さぁ!白状するゲロ!」
静寂な空間に怒声がこだまする。
ビョンコは私を一度睨みつけた後、黙っている私の周りを歩きはじめる。
「・・・・・・」
こうなることは覚悟はしていた。
終わった・・・見つかってしまったのだ。
私は本を燃やされるか、また石になるのだろう。

「黙ってないで教えるゲロ!」
「別に・・・どうせ私は石に戻されるのでしょう?話す事なんて何もないわ。」
「ムッカ〜〜〜!ゲロ!」
あきらめがついた私の態度にビョンコは顔を真っ赤にして怒る。
「ロード!こんな奴、石に戻して見せしめにしましょう!!!」
「おまちなさい、ビョンコ。
 多くの仲間を一度に失った後に、裏切り者を見せしめにするのは得策ではありません。
 他の魔物に悪影響がでるかもしれません。」
「では、本を燃やすゲロか?」
「いえ、彼女にはもう一度役にたってもらいます。
 ただでさえこちらは人数が減ったのですから、戦力は大事にしないと。」
「・・・・・・・」
私を洗脳する気ね・・・でも多分、洗脳しても戦力にはならないだろう。
それは今日の戦いを見ているからよく解る。
心の通じ合った者同士でないと真の力は発揮できないから。
もっとも、清麿達には辛い思いをさせることになるが・・・・・
「・・・おとなしいですね、レイラ。」
ゾフィスが微笑みながら私に話しかける。
「・・・洗脳するんでしょう、好きにすれば?私にはどうしようもないもの。」
「ククク・・・ではそうさせてもらいます。」

ゾフィスが横にいた魔物に目配せすると
「クレイド!」
レイラを捕らえていた呪文が形を変え、今度はレイラの両手足だけを縛る形に変わる。
「?・・・・・・・」
(変ね、アルを洗脳する際、立ち会わされた時はこんな事をする必要はなかったと思うけど・・・)
疑問に思っているとアルが目の前に立ち、すっと腰を降ろす。
アルと見つめ合うレイラ。
するとアルは右手を伸ばし、そっとレイラの頬の撫でる。
レイラは突然の行為に混乱する。
「・・・ア・・・アル・・・?・・・・・ひっ!」
アルに呼びかけようとした瞬間、レイラの体に衝撃が走る。
アルの左手は、レイラの秘所に触れていたからだ。
「や・・・やめてよアル・・・・・」
下着越しとはいえ、アルが秘所に触れるたび、言いようのない気持ち悪さがレイラを襲う。
「いや、いやぁぁぁ・・・」
レイラがびくりとする。
アルの右手は服ごしに胸を揉み始めていた。手の動きにあわせてレイラは体を震わせる。
「・・・いやっ!・・・あっ!」
レイラは体をよじらせるが呪文の力で逃げる事ができない。
アルの手が離れる。

「はぁ・・・はぁ・・・」
行為が終わったのだと思い安心するレイラ、
だが、それはアルの手にしたナイフを見て一気に絶望する。
アルは下着に手をかけ、片側を切り裂きそのまま下着を降ろす。
レイラは足を閉じて逆らおうとするがスルスルと下着は無情にも降ろされていく。
「み、見ない、で・・・」
陰毛も生え揃ってない少女の秘所は、今まで責められた快感からかしっとりと濡れていた。
「あ…あ…い、いやぁぁぁぁ!」
アルはレイラの秘所に顔を埋め陰唇をぴちゃぴちゃ舐め始める。
アルの舌が動くたび、いやらしい音を立てるたび、レイラの陰唇はピクピクと動く。
「ひゃ!あぁっ!・・・・・ダメェ!・・・あぁぁ!」
レイラは涙を流し、恥辱と快楽に必死に耐えている。
レイラはすでに限界だった。その時アルが陰唇の中から勃起したクリトリスを指でつまんだ。
レイラの体がビクン、と激しく揺れた。
シャァァァァァ・・・
レイラは失禁し、腰には力が無くなった。
たちまち辺りには淫猥な匂いとアンモニアの匂いが充満する。
「ふぅ・・・ふぅ・・・」
涙で周りが見えない、頭の中が真っ白でなにも考えられない。

カチャ・・・カチャ・・・
ぼうっとしていると音がするのに気付く。
シュル・・・シュル・・・
(服の脱ぐ音?・・・・・・!!!)
ハッとアルの方を見るとアルはズボンを下ろしていて、ビクンビクンと脈打つペニスを反り勃たせている。
「ひっ!!!・・・・・」
レイラには性知識はないが本能的に身の危険を察した。
ゆっくりと近づくアル。
「やだっ!こないでっ!!」
アルの亀頭がレイラの秘所にあてがわれる。
「ア、アル・・・!!!」
名前を呼ぼうとした瞬間、アルのペニスがレイラを貫く。
「あああああぁぁぁぁっ!痛っ!痛いっ!」
ズッ!ズブッ!
容赦のない挿入、洗脳されたアルにはレイラの痛みを気遣う術はない。
結合部からは鮮血が流れ、破瓜の痛みはアルの動きに伴い体に響く。
「か・・・・はぁ・・・・」
レイラの瞳からは光が消え、うつろになっていく。
抵抗もしなくなった今、クレイドによる束縛も消えている。

「・・・・・・・・・・」
レイラは目の前にいる、ただ機械的な動きを繰り返す男を無意識に見ていた。
不意に目の前の男と目が合い、見つめ合う。
(誰?・・・この人・・・・・・・・・・私、知ってる・・・・・・・誰だろう?
 この懐かしい顔、懐かしい香り・・・・温かな腕のぬくもり・・・・・・・・・
 アル・・・そう、この人はアルバート・・・遠い遠い昔、私の隣にいた人・・・
 魔物と呼ばれ、人間に迫害され続けた中、私を匿ってくれた人・・・・・・・・
 共に戦い、共に傷つき、苦楽を分かち合ったあの日々・・・・・・・・・・・・
 私が石になった時・・・・・・それでもあの人はそばにいてくれた・・・・・・
 幾日、幾年時がたっても私を守ってくれた人・・・・・・・・・・・・・・・)
「アルっ!?」レイラの瞳が光を取り戻す。
目の前にいる男を見つめる。
確かにあの人の面影がある。
密かに慕っていたあの人。
思いを伝える前に別れた人。
寂しくて石の中で毎日泣いた。
アルはずっとそばにいるのに。
・・・・でもまた会えたね。
こうしてまたあなたに会えた。
アル・・・私のアル・・・。

「アルっ!」
レイラはアルにしがみつく。
アルもまたレイラに応えたのかやさしく抱き寄せる。
「アルっ・・・あっ・・・あぁっっ!!」
痛みはもう消えていた。
いまでは膣壁もアルを受け入れてやさしく包み込んでいる。
レイラ自身もまた秘部からは快感を覚え、愛液を滴らせる。
「ああっ・・・んんっ・・・」
アルに口付けをするレイラ、
唇を離すとアルの口がかすかに動く・・・
「・・・レ・・・イ・ラ・・・」
「アルっ・・・アルーーー!!!」
ビュクッ!ビュクッ!
「あぁぁぁっ!、あああぁっ!!!」
ペニスから勢い良く精液が射出され、レイラの子宮を汚していく。
「アル・・・アル・・・」
つぶやきながらレイラは意識を失う。

コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツ・・・
ペタ・・・ペタ・・・ペタ・・・ペタ・・・
ゾフィスとビョンコが地下牢を後にする。
「ロード・ゾフィス・・・・・・・」
「どうかしましたか?ビョンコ。」
「一つ、教えて欲しいゲロ、レイラを洗脳するだけのになぜあんな事をしたゲロ?」
「・・・・・ビョンコ、レイラは洗脳したのではないのですよ。」
「ゲロロ?」
「操り人形に洗脳すると戦力になりませんからね・・・・・
 少し好戦的な性格に変えただけです。・・・私は[心を開放する]と呼んでますが・・・」
「[心を開放する]?」
「そうです、操り人形に洗脳するのは簡単です。強い魔力を流し込めばいいだけですから。
 ですが性格を変える場合は手加減をしなければなりません。
 その場合、意思の力で抵抗されると効果が薄れるので一度相手の心を空にする必要があるのです。」
「つまり、術をかけやすくするために行ったと?」
「そういうことです。この方法は苦労が多いので普段は用いませんが・・・・・クククク・・・」
ゾフィスは遠くを見ながら目を細めて笑う、まるで何かを思い出したかのように。

「それにしてもビョンコ。今日はお手柄でしたね。」
「ゲロ!?」
「レイラですよ。彼女を一人で呼び出したから彼女にスキが生まれた。あなたのお手柄ですよ。」
「やったゲロ!ロードのお役にたてたゲロ〜〜〜!!!」
喜びのあまり走り出すビョンコ。
それを冷たい目で見つめるゾフィス。
(クククク・・・・・単純ですね・・・私は最初から見ていたのですよ?
 あなたの尋問を最初からね・・・・・ククククク・・・・)

---地下牢---

「アル、明日は侵入者がくるわ、解ってるわね?
 私達はヤツらに味方のフリをして近づき、スキをついてヤツらの本を燃やすのよ?」
不適な笑いを浮かべるレイラ。
「決して焦らない事、私が合図をするまで待つのよ。」
見つめ合う二人
「ふふ・・・さぁ行きましょう、アル・・・私達はずっと一緒よ・・・」

[END]

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