686 @853


(少しやつれたかしら…?)
頬に手を当て、シェリーは鏡台に映る自分の顔をのぞきこむ。やつれるのも無理はない。
このところ魔物の捜索でろくに眠ってもいなかったのだ。
しかも、いつの頃からか肩透かしをくうことも多くなっていた。現に、ここしばらく魔物と戦っていない。
このまま捜索を続けていてもたいした成果はないと踏み、今夜は久々に街におりてきてホテルをとったのだ。
(それにしても、今日のブラゴ…荒れてたわね…)
夕食の席でろくに食事に口もつけず、テーブルを立つブラゴをとがめたシェリーに
「お前は平気なのか?この戦いを一刻も早く終わらせたいんだろう!? 
 いったいもうどれくらい戦っていないかわかってるのか? 
 こっちは体がなまってメシどころじゃない」
そう言い捨てると、いつものようにどこかに行ってしまった。
確かにブラゴの気持ちはわかる。しかしシェリーが同じ焦燥感にかられているのも事実だ。
(なにも、あんな言い方する事ないじゃない!!)
そう憤慨するシェリーの脳裏に、ふと違う考えがよぎる。
ブラゴは時折、ふいにシェリーの部屋を訪れることがあった。
シェリーを抱くために。
そして、そのような時はたいてい自身がいらついている時なのだ。
(もしかしたら、今日あたり…)
そう思った瞬間、部屋のドアがノックされた。

シェリーの返答をまたずに、ドアが開かれ影が滑り込む。
(やっぱり…)
鏡ごしに、ブラゴの姿を認めたシェリーは立ちあがって言った。
「こんな遅くにいったいなんの用!?」
「…いちいち言わなくても、わかってるんだろう?」
そう言い捨てると、ブラゴはつかつかとシェリーのもとに歩み寄り、
噛み付くようなくちづけをして、そのままシェリーの体を床に組み敷いた。
ブラゴは乱暴にシェリーの唇をふさぎ、舌で口中を掻きまわす。
「…やっ!やめ…、息が…できっ…な…い」
シェリーは必死にブラゴの体を押し戻そうとしたが、ブラゴは構わずシェリーの薄いネグリジェに手をかけた。
(…チッ!どうして女の着るものはこうも面倒なんだ?)
いくつも並べられた小さなボタンを一つずつ外していく事ももどかしく、ブラゴはそれを襟元から一気に引き裂いた。
「なっ!…やめなさい!ブラゴ!!」
しかし、ブラゴは聞く耳も持たず、あらわになった乳房に手を伸ばす。
激しく揉みしだき、控えめな突起に吸いつき、乱暴にねぶっていく。
たちまち真っ白なシェリーの乳房に、いくすじもの赤い跡が浮かび上がり、そこは汚されていった。
「つっ!あ…あっ…こんなの…って…」
(…あんまりだわ!)
いとも簡単に手荒に扱われながら、シェリーはここに来る以前の国の海辺での出来事を思い出す。

(あの時のブラゴはあんなにも優しかったのに…どうして、こんな…)
目を閉じて、あの時の愛撫を思い返す。あの時の事を思い返すとどうしようもなく狂おしい気分になる。
事実、その後何度か、あの海辺でのブラゴの指使いを思い出しながら、1人自慰にふけってしまうこともあった。
認めたくはないが、本当は心のどこかで今日のようなブラゴの訪問を待っていたんだと思う。
(それなのに…こんなひどいやり方…)
そんなシェリーの気持ちも知らず、ブラゴの指は、今度はシェリーの最も敏感な部分へと侵入していき、
たやすくショーツを剥ぎ取る。
「やっ!いやっっ!!見ないでっ…!」
明かりも消していない部屋でその部分が晒されるのを恐れたシェリーは、思わず足をきつく閉じる。
しかし、そんなささやかな抵抗がブラゴの腕力にかなうわけもなく、むりやりこじ開けられた。
とろりとした液体をまとった秘部がブラゴの目に入る。
屈辱と恥ずかしさから、シェリーはぎゅっと目を閉じて、歯を食いしばった。

…ちゅっ、くちゅっ、くちゅっ…
いやらしい音が静かな部屋に響き渡る。ブラゴの愛撫はいまだ容赦がない。
指先で襞をこじ開けて嬲り、舌先でシェリーの液体を舐めとり、激しく攻めたてていく。
更にブラゴは、とろりとしたものが纏わりついた自分の指先をシェリーの乳房になすりつけると、
そこに吸い付き、その肌ごとシェリーの味を味わう。
「あぁ…っ!…んっ…はあ…っ…はっ…あ…っんん…っ!」
知らずに唇からは吐息が漏れ落ちてくる。
シェリーは、こんな扱いをされているのに、それでもどうしようもなく感じてしまっている自分が嫌になった。
だけど、理性では押さえられない、体の奥からつきあがってくる快感の渦には抗いきる事が出来ない。
ブラゴはシェリーの奥からとくとくと溢れ出てくる泉を確認すると、顔を上げて上からシェリーを見下ろした。
正直魔物である自分には、人間の美醜はよくわからない。
しかし、今こうして自分の下で、豊かな乳房の上に艶やかな金色の髪を乱し、
切なく悩ましげな吐息を漏らしているシェリーは確かに美しいと思う。
しかし、そんな気持ちとは逆の征服欲がブラゴの心を占めていく。
なかばぐったりとしたシェリーの脇に手を入れ、上半身を起こすと、
彼女の目の前に自らの大きくそそり立ったものを突き付けた。

「!!」
今までそのような経験のないシェリーだったが、それでもブラゴが何を欲しているのかはわかった。
拒めば無理強いはしないかもしれない、
だけど、どうにかして荒れたブラゴを慰めてやりたいと思う自分がいるのも事実だった。
しかし、実は自らの欲望にも、すでに小さな火がついてしまっている事に、シェリーはまだ気付いてはいない。
躊躇しながらも、両手を床につき、そっとそれを咥えこんだ。
だけど、それはシェリーにはあまりにも大きく、いったいどう扱っていったらいいかわからない。
必死になって、舌を動かしてみるが、思わず歯を立ててしまった。
「ツッ!!」
「…ごめんなさい」
こんなに乱暴にされて、謝る必要などないのに、反射的に謝罪のことばが口をついて出る。
それどころか、今はどうやったらブラゴを気持ち良くしてあげられるのか、
そんな事ばかり考えていた。
そして、今度はそっと根元を両手で持ち、注意深くちろちろと舌先を這わせてみる。
ブラゴが何も言わないでいるのを感じ取ると、再びそれをほおばり、
舌全体を使って呑み込むように舐めあげていった。
一心不乱になって奉仕するシェリーに、ブラゴも耐えられず、
シェリーの頭をつかんで引き離すと、その体を抱き上げ、ベットの上に乱暴に落とした。

おもむろにその上に跨ると、シェリーの許諾も得ずいきなりその中に突き進み、
シェリーの腰をつかんで落とし、その奥深くに自分をおさめる。
「は…あっ、…ああ…っ…い…やあっっ…やめ…っ…や…めて…」
しかし、その拒絶の言葉にすでに媚びの色が含まれているのをシェリー自身も感じとっていた。
そんなシェリーをブラゴは容赦なく突き上げる。
「あぁっ!あっ!んっ…あああああぁっ!!」
体を激しく上下に揺さぶられ、はからずも、はしたなく大きな声が出てしまう。
思わず自分の口を手でふさぐが、ブラゴによってもたらされる痛みと快感に耐えきる事が出来ない。
ブラゴはさらに片方の乳房をわしづかみにし、
もう片方の乳房を舌でねぶり、シェリーを蹂躙していく。
ブラゴの空いた手が、シェリーの口元にのびてくると、シェリーは思いっきりその指を噛んで、
声が漏れ出るのを必死に防いだ。
「んっ!…ん!…お…ねがい…、もうす…こし…ゆ…るめ…て…」
涙にかすれた声で願い出るも、ブラゴはもうすでに自分を抑止する事が出来ない。
飽き足らずいまだ激しく突き上げていく。
そんなブラゴに対し、シェリーは、大きくいやいやをするように頭を左右に振り乱し、
苦悶の表情を浮かべて身悶えした。
しかし、こんな乱暴な扱いにもシェリーが感じてしまっている事は歴然だった。
その証拠にシェリーの内部は熱を持って、大きくうねり、時折ブラゴをきつく締め付ける。
「は…あっ…ああああぁぁっ!!も…うっ……おねが…い…っっ…!!
 こ…んな…っ…され…た…ら、…んっ…あぁっ………こ…われ…ちゃ…う…っ」
シェリーが狂おしげに身をよじらせながら、途切れ途切れに漏らすと、
ブラゴは一気にシェリーの中一杯に放ち、二人して絶頂へと昇りつめていった。

疲弊しきったシェリーをよそに、ブラゴは早くも身支度を整えていた。
ブラゴは、ぐったりと力なく横たわるシェリーを見下ろすと、
傍らにあったシーツでそっとシェリーの体をくるんだ。そして、
「…悪かった…」
シェリーの顔も見ず、ぼそりとつぶやくと、部屋を出ていった。

「…馬鹿っ!」
(そんな言葉かけるくらいなら最初からやさしくしなさいよ!…それに…)
そう思ってシェリーは溜息をつく。
(それに…、だから…また…私は…あなたを…拒めなくなってしまうんじゃない…)

シェリーは放心しつつも、今だひりひりと痛む部分に、
いたわるようにそっと手をあてがった。
その掌を、温かいものが濡らす。
それは、シェリーの中におさまりきらずに溢れ出した、
今放たれたばかりの、自分の愛液と交ざり合ったブラゴの白濁だった。



左メニューが表示されていない方はここをクリックしてください