前スレ686 @36


シェリーは、ブラゴに組み伏せられたその下で居心地の悪い
気分を味わっていた。それは、ブラゴの愛撫がいつものそれと
違っているからだ。ブラゴは片手をシェリーの秘裂にあてがい、
その中を捏ねながら、か細く喘ぐシェリーを見下ろしている。
いつもなら、一通りの愛撫を多少荒々しいながらも自分に与えてくれる。
だからこそ、シェリーも自然と体を開く事が出来る。
なのに、今日はこうしてシェリーを一糸まとわぬ姿にしながらも、
口付けも、首筋に舌を這わせる事も、胸への愛撫もしてはくれない。
ただ執拗にシェリーの中心だけに指で刺激を与え続ける。
(…どうして?…)
シェリーがそう思うのも束の間、早くもブラゴは自らのものを
シェリーのそこにあてがおうとする。

「ちょ…っ!…ま…まって!!まだ…」
思わずそれを静止するシェリーにブラゴは怪訝そうな表情を浮かべ言い放つ。
「こんなに、濡れているだろう?」
言葉だけでなく、シェリーの蜜で濡れそぼった指先を
シェリーの目前に突き付けた。
「そっ…そういうことじゃなくてっ…!」
確かにそうだ、確かに今私は濡れている…。それは他ならぬ自分が最も良くわかる。
だけど、いつもと同じような愛撫をしてもらいたい、
もっとブラゴの肌を自分の肌で感じたい…、
そんなわがままを言いたくなる自分がいた。
しかし、当然そんな事をシェリーが口に出せるはずもない。
ブラゴの行動を咎めたものの、何も言わずにいるシェリーを、
ブラゴは訳がわからない、といった表情で見下ろした。

ブラゴが、本当はシェリーの欲求を理解していてわざと
そうしないのか、それとも本当に何もわかっていないのか、
そのどちらかがシェリーにはわからない。
ただただ押し黙り続けるシェリーに対し、ブラゴは改めてその襞に
指を滑りこませると速度をつけて激しく擦り上げる。
「っく…っ!あ…ぁぁ…っ…!!」
(…だめっ!どうして?? どうして、他の部分には触れてくれないの?)
シェリーは耐え難い気持ちで一杯になり、
つい所在無げに首元に置いていた自らの手を自分の胸へと下ろす。
そして、無意識のうちに自らの掌で自分の膨らみをなぞり、
強く掴んでしまう。その様を眺めていたブラゴが、急に手の動きを止めた。
「…いつも、1人でそんな風にしているのか…?」
「ち…違うっ!…」

本当は違わない。
ごくたまにではあるが、ブラゴの訪問がない夜、
突然、自分ではどうしようもないくらいに熱くなる体を慰める為に、
こんなみっともない事をしてしまっているのは事実だった。
そして、その時自分が考えているのがブラゴの事だということも…。  
  体を硬直させ、ぴくりとも動かなくなったシェリーにブラゴは耳元で囁く。
「…また、してみろ。もう1度見てみたい…」
しかし、そんな事を言われて素直に応じられるはずもない。
さらに体を硬くするシェリーに対し、ブラゴはその手を掴むと、
さあ!とばかりに、シェリーの乳房にあてがう。
…つらかった、恥ずかしさを通り越して悲しいくらいだ、
だけど、きっとブラゴは許してはくれない…、
それがわかっていた、わかっていたから…、
シェリーは出来る限りブラゴの視界に入らぬ様、体を傾けると
そっと掌に力を込め、自分で自分の乳房を掬い上げ、控えめに揉みしだいた。

「んっ…あぁ…っっぁ…っ」
見られていることに対する興奮と羞恥心と屈辱感が
ないまぜになって、思わず小さく喘ぐ。
このまま、もうどうにでもなってしまいたい…!!
だけど、シェリーの中の理性がわずかにその思いに打ち克つ。
突然ぱっと手を離して言い放った。
「…も、もういいでしょっ!?」
ただただシェリーを眺めていたブラゴは、皮肉な笑みを
浮かべるとシェリーに囁いた。
「…オレの手でしてほしいか?」
先程の理性もどこへやら、シェリーは顔を真っ赤にしながらも
こくりと頷いた。ブラゴの手がシェリーの膨らみにのびる。
しかし、シェリーがほっとしたのもほんの束の間だった。
ブラゴの愛撫はシェリーが望んでいたものではなかった。

伸ばされたブラゴの片手は乳房全体ではなく、その中心だけを攻めた。
指先だけで突起を弄り、擦り、摘み、押さえ付け、
転がし、時折強くつねる。
「い…や…っ!いや…あぁぁぁっ!!!」
ひどい!と思う。こんないたぶるような真似、許せない…!!
シェリーはなんとかその攻めから逃れようと、体をねじり、寝台の上に
突っ伏すが、背後からでも、ブラゴの指は容赦無く回り込んでくる。
普段なら体のあちこちに分散されるべきはずの快感が、今日はただ
一点に集約され、そこから体の隅々にまで電流みたいなものが走っていく。
「…く…っ…う…あ…あ…ああぁぁぁ…っっっ!!!」
自分の体が自分のものではないような感覚に囚われ、うつ伏せのまま
肘をつき、上半身を大きくのけぞらせる。寝台とシェリーの乳房との
間で押し潰されていた指先が解放されたのをいいことに、ブラゴは
更に力を込めて、シェリーの赤く染まった蕾、ただそこだけを嬲り続ける。
拒みながらも、シェリーの体は弛緩しきって、
口からはだらしなく涎がこぼれた。

(…もう…だめ!)
シェリーは、ブラゴの首に腕を回してしがみつき、涙を流しながら訴えた。
「おねがい…ッ!お願いだから、いつもみたく…
 いつもと同じようにしてっっ!!!」
ここまできて、やっとブラゴはシェリーに口付けをしてやると、
柔らかな乳房の上に顔をうずめ、その膨らみを掌全体で包んだ。
「は……あぁぁぁ…ん…っ…!!」
待ち望み続けた愛撫をもたらされ、シェリーは今度こそ安堵する。
しかし、シェリーの体は焦らされ続けたことで既に終わりを
迎えようとしていた。そのことを敏感に察したブラゴは、シェリーの
中に自分を挿れてやる。程なく、あっけないほど簡単にシェリーは果てた。

はっと気付くと、肘枕をした格好のブラゴが横たわるシェリーを
じっと見つめていた。その目がまるで自分の事を面白がっている
ようにも感じられる。冷静になってみると、先程の自分の乱れようが、
浅ましく、恥ずかしさで胸が一杯になった。ブラゴの視線がその羞恥心に
拍車をかける。気まずさを拭えず、取り繕うように、シェリーはさっと
起き上がると、黙って衣服を身に着けはじめた。
ただ、こうして身支度をしている間も背後から感じるブラゴの視線が痛い。
「シェリー」
最後の一つのボタンを掛け終えたところで、声をかけられびくりとする。

すでにブラゴはシェリーのすぐ後ろにおり、
背後からシェリーの腰を抱くと再び寝台へと引き摺り込む。
そして、今度は狂おしいまでの優しいやり方でシェリーの唇を
その唇でふさぐと、再び、今身に着け終えたばかりのシェリーの服を
ゆっくりと脱がしにかかる。
「ちょ、ちょっと!…ブラゴ!?」
「安心しろ。こんどは普通にしてやる…」
シェリーは思わず心の底から溜息をついた。
しかし、この後、結局はブラゴのことを受け入れてしまう自分がわかっていた。
(ブラゴに体を開かれて…、もう私の体はブラゴ無しではいられないくらい
 淫らなものになってしまったのだろうか…)
そんなこと、考えたくなかった。
…考えたくなくて…
結局はまたブラゴの愛撫に没頭し、溺れていってしまうシェリーだった。



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