前スレ686 @138


シェリーは1人ベッドの上で、自分で自分を持て余していた。
(夕食の時に飲んだ葡萄酒、あれがいけなかったのかしら…?)
珍しい葡萄酒が手に入ったと給仕に聞かされ、1杯だけならと
口にしてみたものの、普段飲み慣れないものを口にしたせいか、
体は熱く火照り、シャワーを浴びても胸の動悸はおさまらない。
なかなか寝つけないでいるシェリーの脳裏にふとブラゴのことがよぎった。
(…今日は、来ないのね…)
そう思った側から、いったい自分は何を期待しているの!?
とその考えを否定する。しかし、シェリーの体はブラゴの事を
思い出しただけで、更に熱を帯びていく。
はしたない事…。そうとは分かっていながらも、シェリーは片手を
自らの乳房に伸ばし、もう片方の手でネグリジェの裾をそっと捲り上げた。

手に軽く力を込め、自分の乳房を掴み、そろそろと秘裂をなぞっていく。
「あ…ぁ…っ…」
密かに喘ぎ、何とかこの行為に没頭しようとしたが、
シェリーの頭は体とは逆に冴えていった。
(…こんな事…自分でしてるくらいなら、
 どうして自分からブラゴの所に行けないのかしら…
 すぐ側の部屋にブラゴはいるというのに…)
そう思うと何だか空しい気分になり、シェリーは両手を自分の体から
離した。と、その時、部屋のドアが開かれ廊下の灯りがその中に入りこむ。
はっと気付いた時には、ブラゴが枕元に立っていた。
「…シェリー、起こしたか?」
「ブ…ブラゴ…?」
先程までの自分の行為に気付かれたのではないかと思ったシェリーは慌てた。
「…まだ、眠ってはいなかったか?…」
「え?…ええ、まだ、眠っては…そ、それより、
 な…何なの?ノックもしないで…お、驚くじゃな…」
シェリーの言葉が終わらないうちに、ブラゴはシェリーの唇をふさぐ。
そして、シェリーが深くかぶっていたシーツを剥ぎ取りにかかる。

「や…やめ…だめっ…!」
シェリーの抵抗むなしく、シーツはばさりと床の上に落ちた。
ベッドの上に横たわるシェリーの姿を見たブラゴは思わず目を見張った。
シェリーはいつものネグリジェを身につけてはいるものの、左の乳房は
ネグリジェからはみ出し、その裾は持ち上げられ、そこから真っ白な
太股が片方だけあらわになっている。
「シェリー、お前…」
ブラゴは、明らかに一瞬驚きの表情を見せたが、すぐにニヤリとして
シェリーを見下ろした。
「…フン…そういう事か」
「ちが…違うわよ…っ」
シェリーは慌てて両腕で前を隠すが、もう遅い。
「お前のような上品な奴がまさか本当にこんな事をしているとはな」
顔を真っ赤にして、下唇を噛んで耐えているシェリーにブラゴは
言い捨てると、シェリーのネグリジェに手を伸ばす。
(のしかかられる…)
そう思ったシェリーは、身を硬くしたが、ブラゴの行動は予想だに
しないものだった。ブラゴは、シェリーのネグリジェの外されたボタンを
一つ一つまた掛けていくと、だらしなく持ち上げられた長い裾も
元通りに足首までおろしてやった。

シェリーにはブラゴがいったい何を考えているのか全くわからない。
ブラゴは、そんなシェリーを嘲笑うかのような表情をすると、
その体を軽く抱き上げ、ベッドから少し離れたところに下ろして立たせる。
「な…何なのよ…いったい…」
戸惑いを隠せないシェリーの側から離れると、ブラゴは1人
ベッドの縁に腰掛けた。
「…脱いでみろ…そこで、自分で」
「!!…そ、そんなはしたない事…」
その言葉を聞いたブラゴは更に皮肉に嘲笑う。
「はしたないだと?じゃあ、お前がさっきまで
 一人でしていたことはどう説明する?」
屈辱でうなだれるかわいそうなシェリー…。
ブラゴに、あんなしどけない姿を見せてしまったのは確かに悔やまれる。
だけど、ブラゴが部屋に入って来た事を知った時、自分は僅かであっても
確かに、ブラゴの肌を感じる事の出来る安堵感に包まれたのではないか…。
(…それに、今だって、もう…早く触れてほしい…ブラゴに…)
シェリーは意を決すると、ブラゴの目の前でそっとネグリジェに手を掛けた。

まず、上に羽織った薄い上着のボタンを一つ一つ外す。
シェリーの指は僅かに震えていた。
全部外し終え、袖から腕を抜くと微かな衣擦れの音と共にそれが
床に落ちる。しかし、まだ下にはネグリジェが身につけられている。
今はまだ細く滑らかな肩と腕があらわになっただけだ。
ブラゴはじっくりとシェリーを眺めた。
ほの暗い部屋の中で、シェリーの肌の白さが着衣の白い色より
更に際立っている。ネグリジェはゆったりとしたシルエット
ではあるものの、その薄さのせいなのか、シェリーの均整の整った
体がわずかに透けて見えた。特に、胸の部分だけはぴたりと体に
沿うようつくられているので、その下のシェリーの豊かな乳房は
ずいぶん窮屈そうに見える。
シェリーは両腕を胸の前で交差させると、その指先をネグリジェの
肩紐にかけた。そしてゆっくりと肩から外す。ぱさり、という
微かな音と共にシェリーの体を覆っていたものは下に落ちた。

瑞々しく艶やかな乳房、その先端にある薄桃色の控えめな突起、
そして豊かな胸とは対照的なか細い腰、
更にそこに続くすらりとした真っ白で伸びやかな足。
ブラゴはじっくりと舐め回すようにその肢体を眺めた。

(…やはり、シェリーは美しい)
すでに慣れ親しんだ体であるにもかかわらず、ブラゴは正直、
感嘆せざるをえない。ふくらはぎには先頃の戦闘で負った
痛々しい傷跡がうっすらと残ってはいるが、それすらブラゴの
目には、艶かしく、美しい物として映る。
(だが…そもそも、魔界に居た頃、オレの中に
 美しいなんていう感情はあったか?)
ブラゴは自分で自分の事を嘲笑った。
しかし、今はもっとシェリーを見ていたい。
そして、それを自分の目に焼き付けておきたい。
「それも…取れ…」
ただ一つだけシェリーの肌を隠している小さな布を顎で
しゃくりながらブラゴは指示する。シェリーは既に諦めたのか、
ためらいながらも下着に手をかけた。まず右足をそっと抜き、
次に左足を抜く。今度こそ、シェリーは一糸まとわぬ姿となった。
今更そんな事をしたって無駄なのに、シェリーは両腕で
できるだけ自分の体を隠そうとする。ブラゴの舐め回すような視線が
突き刺さるように痛い。シェリーは涙を流していた。

「イヤ…イヤよ…ブラゴ…。こんなの…ひどい…。
 そんなところで…見てないで!!お願い…だから…
 ここに来て!!もう…耐えられない……」
ブラゴはばさりと自分の上着を投げ捨て、ゆっくりとシェリーの
元へ歩み寄ってやる。そして、側にあったソファーにシェリーの
体を押し付け、座らせると、シェリーを抱きしめ、口付けし、
頬を伝う涙をそっと唇で吸い取った。
両手で乳房を包んでやると、汗ばんだ肌がぴたりとブラゴの掌に
吸いついてくる。そのまま、下に手をおろしていくと、そこはもう
既に充分な潤いを持っていた。
「シェリー…もう…いいな?」
目を瞑ったまま、シェリーが無言で頷く。
「…欲しかったんだろう?」
ブラゴは、シェリーの片足をソファーの肘にかけ、大きく足を開かせた。
「あ…っああ…っ…」
ただそれだけで、シェリーは体を反らせて小さく喘ぐ。
ブラゴは自分の事を誘うようにうねるその中に一気に突き進んだ。
「あぁ…あっ…ブラ…ゴ……ブラゴッ…!」
ブラゴの動きに呼応するかのように、シェリーは体を密着させてくる。
そして、無我夢中といった風情で、細い両腕でブラゴの背中にしがみついた。
(シェリー…ただ綺麗なだけじゃない…お前は……可愛い…)
ブラゴは密かにそう思う。
そして、可愛いという感情もまた、自分がこれまでに持った事のないもの
である事に後々気付く事になるのだが、今はそんな事まで考える余裕も無く、
ブラゴは、ただ貪欲にシェリーを抱き続けた。




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