LEVEL.if アルベールごはん @414


「アル〜まだ〜?」
紫の髪に、大きな瞳、まだ幼い魔物の子のレイラが少し機嫌悪そうに尋ねる。
リビングからオレを呼ぶ声が聞こえた。
「今できるから待ってて〜」
オレはレイラにそう言った。

「ん〜やっぱこれで良かったのかな?」
料理をしながらアルは頭の中でそう思った。

あの戦いの後、千年前の魔物のレイラには現代の戦いには関係無いので、レイラ
の魔本を燃やし魔界に帰してくれるようガッシュ達に頼んだが、千年前の魔物が
魔界に帰っても当時の魔物はいない、いるとしたら、ゾフィスのおかげで石から
目覚め魔界に帰った連中ぐらいだ。
1人ぼっちになってしまう。
そう考えたアルベールはレイラに一緒に暮らすことを提案してみた。
レイラは間髪入れずOKしてくれ、今はオレのアパートで一緒に暮らしてる。

「おまたせ、できたよ」
アルは今作ってきた料理を運んできた、レイラは目を輝かせている。
「アル?これはなに?」
レイラは不思議そうに少しコゲたハンバーグを指さした。
「えっ?ハンバーグだよ。少し失敗しちゃったけど味は保証するよ」
千年前にはこのような物は無かったのだろう、口にあうかなー
「う〜ん…星3つ!アルって結構多才なのね」
「ホント?ありがとう、うれしいよ」
…………おなかいっぱい
「ふぅ〜、ごちそうさま」
「ごちそうさま。あっアイスあるけどもう少ししたら食べる?」
「えぇ」
食器を片づけに行く、オレのはもちろんだがレイラの食器もきれいに片づいてる。
全部食べてくれてうれしかった。

少したち、レイラにアイスを渡し、アイスを食べながら話をする。
「なぁ?ホントにこっちに残って良かったのか?」
「何言ってるのよ。誘ったのはそっちでしょ」
「まぁそうだけどさー後悔されたらイヤだし」
「後悔なんかしてないわ、後悔してるなら今頃自分で本をもやしてるわよ」
少し間があいた
「わたしの、今幸せよとっても、こんな言葉じゃ足りないくらい」
アイスを一口
いつもクールなレイラの顔が真っ赤だった。
「そうか、恥ずかしいな〜」
こっちだって赤くなるよそんなこと言われちゃ。
「あのね、アルに聞きたいことがあるの」
「何?」

「わたしまだみた感じ幼いじゃない?だからアルがわたしのことどう思ってるの
かな〜って思って…」
いきなりどうしたのだろう?
「あのね!わたしアルのことが好き!本のパートナーとしてじゃなく、1人の異性
としてあなたを愛してるわ!」
この熱弁も一転、レイラの大きな瞳が涙ぐむ。
「でもね…ここに本がある以上…別れが来るかもしれない、そんな日が来るのが
とても怖いの!」
「レイラ…」
確かにそうだ本があればレイラはここにいる、本があれば別れがある…
オレは決めた。
「レイラ、オレもレイラのこと好きだよ、愛してる。ずっと一緒にいたいんだ。
オレはレイラを守る!この本は絶対燃やしはしない」
アルはそう言うとレイラの唇を奪った、ほんのりバニラの味がした。

そして、アルはレイラを抱きしめた。レイラも腕をまわしてきた。
2人はきつく抱き合った。きつく。キツク。絶対に離しはしない・・・
レイラはアルの胸の中で思いっきり泣いてしまった。そんな姿もまたかわいい

アルは開いていた窓から風でカーテンがなびき、空が見えた・・・今夜はきれいな三日月だ

以上です。

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