前スレ512 @7


その日もブラゴはお気に入りの木に登り、いつものように昼寝をしようとして──
ふと人の気配を感じ、動きを止めてその気配に視線をやった。
ベルモンド家敷地内の薔薇園。そこをゆったりと散策する赤毛の女性の姿を見つける。
赤毛の女性──シェリーの命の恩人にして親友、
元魔界の王候補であったゾフィスの本の使い手、ココ。

その姿はブラゴが知っている、ゾフィスの本の使い手だった頃のココとはかけはなれ、
身なりは質素で、表情もどこか頼りなげで弱々しく、そして穏やかだった。
「………」
ブラゴは思い立ったが吉日とばかりに木を飛び降り、薔薇園に向けて走り出した。


「きゃっ!……あ、ブラゴさんだったのね。こんにちわ」
突然目の前に飛び出してきた物体に驚いてココは数歩後ずさったが、
それがブラゴだと確認するとホッとしたように微笑を浮かべて挨拶をする。
「ここで何をしている?」
「シェリーに、お茶に呼ばれていたのだけど、所用で約束の時間に帰って来れないらしくて。
 帰宅するまで薔薇園でも見て来たらどうかってメイド頭の方が薦めてくださったの」
無愛想で、姿形はもちろん体から滲み出ている迫力にほとんどの者がブラゴを恐れるが、
ココはシェリーの信頼するブラゴを恐れる事などなく、
挨拶も返さず不躾に尋ねてくるブラゴに不快を示す事もなく、微笑のままで答えた。
「…そうか」
ブラゴは短く言って、おもむろにココの上から下までに視線を走らす。

赤毛で少し癖のある短い髪。
とてもではないがシェリーの同じ歳には見えない、幼い顔立ち。
露出の少ない服の上からでもわかる手足の細さ、
そしてその細さや顔立ちには似合わぬ胸と腰の張り具合。
先程までと同じように薔薇の花々を眺めている、その姿。
ゾフィスの隣で見せた妖艶さの欠片もない。
シェリーの体から香る人工的な花の香りとは違う、自然の草木のような香り…。
(…だが…残っているな。…ゾフィスの匂いが…
 こいつの体の奥に染み付いてやがる。…忌々しい匂いだ…)
ブラゴの中に、得体の知れない何かがふつふつと湧き上がる。

「…おい、おまえ。俺の子を産め」
「…え?きゃっ!?」
ブラゴが突然に言い放ち、瞬時にココを背後から抱きすくめた。
短い髪から覗くうなじに強く吸い付き、片手でココの幼い顔に似合わぬ豊満な胸を強く掴む。
もう片方の手で、ココの長いスカートをたくし上げ下着に手をかける。
「やっ、何を…ブラゴさん、いやっ、あぁっ、や、やめて…!」
弱々しい抵抗をものともせず、ブラゴはココの下着を一気に引き下ろし、
秘所に指を滑り込ませた。
「あぁんっ…!」
びくんと体を反らし、ココの抵抗の手が緩む。
(フン…この反応…ゾフィスにかなり馴らされているな…。しかも無毛ときた)
ココの恥丘はすべすべとしており、そこには年頃の女性にあるべきはずの茂みがなかった。
ブラゴは指先でココの少し大きめな花芽を探り当てるとそのまま捏ね回しながら、
ココの胸を掴んでいた手を上着の裾から差し入れ、直に乳房を揉み乳首を摘んだ。
「あっ、あぁん、だ、だめ…やめて…あなたにはシェリーが」
頬を紅潮させ息を荒くしたココが震える声で訴える。
「…シェリーはただのパートナーだ。あいつを抱く事などありえない」
ブラゴは攻める手を止めず抑揚のない声で答えた。


────そう、ブラゴにとって、シェリーは本の使い手でしかない。
シェリーは人間にしてはましな方といえど、その体力は魔物とは比べようもない。
シェリーを抱く事で余分な体力を使わせるわけにはいかない。
ましてシェリーが孕みでもすれば、魔界の王を決める戦いに不利になる。
パートナーと恋仲になる魔物がいないわけではないが、無駄を厭い弱さを厭うブラゴは
理性云々の問題以前として、シェリーを性愛の対象として見た事がなかった。

だが、魔物としての本能…子孫を残す事に、人間界も魔界も関係はなく。
──実際、魔物の血を引く人間はこの世界に多数存在している───
さらに、自分以外の魔物の匂いを持つ異性を見れば、
その匂いを消して自分の匂いを染み付けたくなるのも、本能がもたらす欲求で。
犬や猫があちこちに自分の匂いを残して縄張りを主張するように。
雄ライオンが、別の雄ライオンの子供を殺してしまうように。


「あっ、でも…ぁあんっ、いや…ぁ…あんん…っ」
ココはがくがくと足を震わせ、弱々しい抵抗を続けながらも、
ブラゴに与えられる快感にびっしょりと秘所を濡らしている自分に戸惑っていた。
ブラゴの指の動きに合わせて、ココの秘所がヌチュヌチュと音をたてる。
(いや…男の人にこんな風に触られた事ないのに…初めてなのに…体の奥が熱い…
 いやなのに…気持ちいい…いや…いや……)
ブラゴの指が、ココの泉から溢れる蜜でびしょびしょになっていく。
「っあ、はぁん、あっ、あぁん、だめ、いや、あっ、あっあっあああーーー!」
指と掌で花芽から菊の花まで、割れ目全体を往復するように素早く何度も擦られ、
ココはあっというまに絶頂に達した。
ぷしゅっと噴出した大量の蜜がブラゴの手首までびっしょりと濡らし、
残りは太ももを伝い、ぱたぱたと芝生に吸い込まれる。

乳房と秘所を甚振るブラゴの手だけを支えにかろうじて立っていたココが、
はぁはぁと肩で呼吸しながらがくんと膝をついた。
ブラゴはすかさずココの背中を押して四つん這いにさせ、スカートを捲り上げ
白くふくよかな尻を陽射しに晒したかと思うと、おもむろに両手で掴んで左右に開き
大量の蜜に濡れてきらきら光る秘所にむしゃぶりついた。
「い、いや…やめて…やめ…っ、あ、ああっああんっ」
ブラゴはジュルジュルと大きな音をたてながらココの蜜を吸い上げ、続いて
犬がミルクを飲むようにピシャピシャと上下に何度も舐めた。
「あっあぁん、はぁ、はぁんん、あ、あんんっんっあっ」
ぷっくりとした桃色の花弁の中心から絶え間なく蜜が溢れ、ブラゴの口元を鼻先を濡らす。
いくら啜り上げ飲み込んでも、次から次へと溢れてくる。
ブラゴは片手で蜜を少し掬い取り、ちょうど目の前にある菊の花に円を描くように指を這わせた。
「あっ、いやっ、そこは…あっあぁん、ああっ、あっ、だめ…あっああ」
きゅ、きゅとココの菊の花が、まるでブラゴの指を飲み込もうとしているかのようにひくつく。
(ここも感じるようだな…チッ、ゾフィスの野郎…どれだけ教え込んだんだ…?)
ココの体の反応の良さに、ゾフィスがココに与えてきたであろう数々の快楽を想像して苛立つ。

「はぁっ、んあぁっ、ブ…ブラゴさ…んあっ、私、私で、いいの…?っあ、だめ、もう、あああっ、あぁん」
芝生に顔と胸をつけ、尻だけを高々と持ち上げられている状態でココが喘ぐ。
ブラゴはココの秘所から顔を離し、すっかり猛りきっている己の分身を取り出して
無言のまま一気にココの最奥まで突き刺した。
「あああああっ!!」
ココの体が弓なりにしなり、ぴくぴくと痙攣する。
直前まで執拗に秘所を舐められていたココは、挿入だけで絶頂に達してしまったのだ。
ブラゴの分身がココの奥でぎゅうぎゅうと締め上げられる。
その締め付けの強さと、内部に敷き詰められた襞がざわざわと絡み付いてくる感触に
ブラゴは眉を顰めながらも、激しくココを突き上げた。
そして片手で分身の出入りしている箇所より少し上の菊の花に、蜜を塗り付けた指を進入させ蠢かし、
もう片方の手を前から回し、蜜でびっしょり濡れた花芽を捏ね回す。
「ぃ、いやっ、はぁっ、ああんあぁっあんんっ、んんんっあっんっあああっ」
同時に三箇所も攻められ、ココは何も考えられずに声を上げる事しかできない。
ブラゴの分身が、指が、ココの内部を突き上げ、掻き回す。
「んぁあっ、ああっ、あっ、だめ、ああっ、また、ぃ…、」
その声にブラゴは、自身も絶頂を迎えるべく突き上げる速度と指を動かす強さを高めた。
「んあっ、いいっ、いく、いくっ、あっ、あっいくっあっああっぁあああーーー!!」
再びココの奥が強く収縮し、ブラゴはそれに合わせて大量の精を放出する。
結合部からココの蜜がぷしゃっと噴出し、ブラゴの分身の周囲をべったりと濡らした。

ブラゴは精がすべて放出されココの奥に飲み込まれていったのを見計らって、
ゆっくりとココに埋めていた分身と指を抜き、花芽からも手を離した。
意識と支えを失ったココの腰がぺたりと横に倒れる。
下半身のみを陽の下に晒したまま、びくんびくんと全身を震わせて、荒い息でぐったりと横たわるココ。
その股間も、太ももも、膝までもがココの蜜でびっしょりと濡れている。
(………これでゾフィスの匂いは消えた、な)
ブラゴは、ココの体の奥に残っていたゾフィスの匂いが消え、
新たに自分の匂いを染み付けた事に満足した。後はココが受精するまで精を注げば完璧だ。

(それにしても…この女の肌は、柔らかい…。ゾフィスはこの女に戦闘を教えなかったのか)
ココの肌は白く、もっちりとしており、呪文や打撃などのダメージを受けた事がないように見えた。
(フン…あいつはあいつなりに、この女を丁寧に扱ったという事か…)
ブラゴはいまだぐったりと横たわるココの腰から太ももにかけて一撫でしてから、
上着を脱いでココの下半身を拭い、膝まで下りていた下着を元の位置に戻してやる。
そして捲くり上がったままのスカートも直してやった…その瞬間。

衝撃がブラゴを襲った。
ココのスカートから手を離した瞬間、その手が光を纏い、うっすらと透け始めたのだ。
「まるで獣ね、ブラゴ」
薔薇の花々の隙間から、シェリーが姿を現す。その手にはライターと、火のついた黒い本。
「シェリー!おまえ、何をしている!」
「あなたもゾフィスと同じだったのね。人の気持ちなんて考えずに利用して傷つけるんだわ」
冷たく侮蔑を含んだ目でシェリーはブラゴを睨みつけ、まるでゴミのように燃える本を投げ捨てた。
燃えさかる黒い本はバサリと音をたてて落ち、周囲の芝生を焦がす。
「ココと私から、幸せを奪う奴は許さない!
 …サヨウナラ、ブラゴ。あなたを少しでも信頼して、恩を感じた私が馬鹿だったわ」
黒い本を包む炎がだんだんと大きくなり、ブラゴの体が透明度を増していく。
「シェ…」
ブラゴが何かを言おうとする前に、黒い本は燃え尽きた。ブラゴの姿も、消えた。


数十分後。
「………ん…、シェリー?」
「気がついた?ココ。こんな所でうたたねするなんて、疲れてるの?風邪ひくわよ」
ブラゴに最後に見せた冷たい表情が嘘のような、聖母の微笑でシェリーがココを見つめていた。
「あれ?ブラゴさんは…?ここにいたでしょう?」
「いいえ、ここには誰もいなかったわ。夢でも見ていたのね、ココ」
「夢…?」
「そうよ。きっと夢。……さあ、ココ。私の部屋でお茶にしましょう。」
シェリーが、ふらついているココの手を有無を言わさない強さで引いて歩き始めた。
「…夢…。そうよね、夢よね…。ちょっと残念。幸せな夢だったのにな…」
「……エ?」
「あっ、ううん、なんでもない」
「………行きましょう。爺がお茶の用意をして待ってるわ」


(夢…ほんとに夢だったの?あんな夢を見るなんて恥ずかしい…  でも本当に…あんなにリアルで…まだ体の奥が熱くてだるくて…ブラゴさん…夢だったの…?) (…ココと私は一緒に幸せになるのよ…、これで良かったのよ…。ね?ココ…)


Fin.

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