黒綿(前スレ686) @321


「もう!ブラゴ!!一体どこに行っていたの?
 すごく探したんだから!」
広い会場のなかでやっとブラゴの姿を見つけると、
シェリーは顔を真っ赤にしながら駆け寄ってきた。
今日は魔界の王宮で晩餐会が開かれており、
王の側近とその家族達が招かれている。
ブラゴと魔界で生活を共にするようになったシェリーも、
この会に招かれていたが、シェリーが会場の他の客人に
挨拶をしている間に、ブラゴはいつもの様にどこかに
行ってしまい、とうとう晩餐会が終わりに近付くまで、
その姿を見つける事ができないでいた。
「もう、帰るぞ」
憤慨するシェリーに詫びる事もせず、ブラゴは無愛想に呟き、
シェリーの腕を掴む。
外に用意させてあった馬車に乗りこむと、
シェリーはブラゴに不満をぶつけた。

「私が、こういう会に来るのは初めてなんだから
 ちゃんとあなたにエスコートしてもらわないと困るわ!
 ブラゴったら、全然変わってないんだから!
 すぐに一人でどこかに行っちゃって…。
 私がどれだけ探したかわかってるの!?」
「フン。その割にはお前楽しそうにしてただろうが」
「それは、あなたの仕事上で関係のある方たちばかりだもの。
 きちんとご挨拶しておかないとって思っただけよ!
 私はあなたが居なくてずっと不安だったよ?それなのに
 楽しそうにしてたなんてひどいじゃない!」
更に顔を赤くさせて怒るシェリーに、ブラゴもまだ応戦する。
「だが、他の男の踊りの相手までしなくてもいいだろう?」
「だって、あの人はあなたの上司だそうじゃない!
 無下に断れないわよ。それに別に一緒に踊ったくらいで…」
そこまで言いかけてシェリーは口をつぐんだ。
そしてくすりと笑うと、ブラゴに問い掛ける。
「…ブラゴ。あなたもしかして妬いてるの?
 そうなの?だから、姿を見せてくれなかったの??」
ブラゴは舌打ちをするとぼそりと呟いた。
「うるさい…。喧しいことを言うな…」
そして、まだ何か言おうとしていたシェリーの首筋を
抱き寄せ、その唇を強引にふさぐ。
無論、軽いキスで終わらせようとはせずに、
乱暴に唇を吸い上げ、舌をねじ込ませ、執拗に激しく、
逃げるシェリーの舌を絡めとる。

シェリーは苦しげな表情を見せながらも必死に抵抗した。
「やめ…。こんな事で…ごまか…せる…と…思って…?」
しかし、ブラゴは構わず唇をあわせたまま、片手を
シェリーの胸元へ下ろしていき、ドレスの上から、
柔らかな乳房をゆっくりと揉みしだいた。
「だ…め…。こんな…と…こ…で…」
そう言いながらも、シェリーの呼吸は熱っぽく荒くなってきている。
このままここで今すぐシェリーを抱きたい、という欲望が
ブラゴの胸に湧き上がるが、王宮から屋敷まではそう長い距離ではない。
さすがにそれは無理か、と思いつつも、
着衣の上からだけでも、シェリーの身体を撫でまわす。
つるりとしたドレスの生地を通して、シェリーの
弾力のある柔らかな肌を堪能する。
片手を胸元から下へと下ろしていき、更に臀部や太股の内側を
撫でてやると、シェリーは、くっと小さな吐息を漏らした。
「や…め…っ!…声…で…ちゃう…」
「出せばいいだろう…?」
「ぁ……だ…め……。御者に…気付かれ…るわ…」
悩ましげに漏らすシェリーを見つめながら、ブラゴは
なおも太股に指を這わせていく。太股の上部を撫で上げた
ところで、ふいに異物感を感じたブラゴの手が止まった。
そしてにやりと嘲笑うと、シェリーに囁いた。
「続きは帰ってからだ」
シェリーは、顔を紅潮させながらも無言で荒れた息を整えた。
程なくして、馬車は屋敷の前に到着した。

そのまま二人とも、何も話さないまま寝室に入ると、
ブラゴは強くシェリーを抱き寄せ、いとおしむ様に髪の毛を撫でつけた。
「ひどい…。ブラゴは…いつも…こんな風にして何でもごまかすんだから…」
「お前だって、いやではないんだろう?」
そう言うとブラゴは、片手をシェリーの背中に回し、ドレスの
ファスナーをゆっくりと下ろしていく。
ドレスを取り去ると、下着だけを身に纏ったシェリーを乱暴に
寝台の上に押さえ付けた。ベッドサイドの灯りをつけると
シェリーの姿をまずは目で楽しむ。
白いレースをあしらった、清楚な雰囲気の下着とキャミソール。
触れただけで上質なものとわかる絹の靴下。
そしてその靴下を留めるガーターベルト。
シェリーが、このようなものを身につけているのを
見るのは初めてだった。戦闘をしていた頃は、
シェリーはもっぱら素足でいたし、シェリーが
こちらに来てからは、シェリーを抱くのは大抵、夜寝む前だった。
何度抱いてもシェリーの身体に飽きるという事はなかったが、
初めて見るシェリーの姿に、ブラゴの欲情は昂ぶる。

そんなブラゴの思惑には気付かず、シェリーは弱々しく漏らした。
「イヤ…。灯りは消して…」
「だめだ」
ブラゴは、まずキャミソールの下から手を入れ、
シェリーの胸を覆う下着を取り去る。
熱い体温を持った乳房を揉みしだいてやると、
薄いレースの生地を通して、硬く立ちあがった
薄桃色の蕾が透けて見えた。
ブラゴは、たまらずキャミソールの上からその蕾に吸い付き、
舌で激しく転がす。もう片方の蕾は、指先で円を描くように
ゆっくりと、だが執拗になぞり続ける。
「んんっ!ぁ…ぁ…ぁんっ!あ…こんな…の…」
早くも、ぼうっとした表情を見せるシェリーに対し、
ブラゴはそのまま唇を下へと這わせていく。
下着の上から、シェリーがどれだけ濡らしているかを
確認してみると、やはり、すでに小さく染みがつくほどに
そこは潤っていた。いつも、ブラゴに対して憤慨して、
ブラゴを咎めたりしているくせに、こうなると、すぐに
感じてしまうシェリーはやはり憎めない。
そのまま視線を横にやると、真っ白な瑞々しい太股の上の
ガーターベルトが目に入る。それを、ゆっくりと
指先でなぞるとブラゴは呟いた。
「お前、いつもこんな物身につけていたのか?」
「…ん…。…え?…あ…ガーターベルトの事?…そう…ね。
 フォーマルな格好をする時は…いつも…」

ブラゴは無言で、それを身に着けたシェリーの肢体を
まじまじと眺め続ける。
「…な…なに?何か…おかしい…?」
シェリーの問い掛けに対し、ブラゴは身を屈めると
シェリーの耳元で囁いた。
「…いや…。すごく…そそる…」
そして、下着の上から指先をシェリーの秘裂にあてがい、
何度も往復させる。シェリーは、細い首をのけぞらせて、
はぁはぁと小さく喘ぐ。下着を通してでも、じゅっと
シェリーの愛液は滲んでくる。
「お前…ほんとに、いやらしいカラダしてるな…」
シェリーを辱める訳ではなく、ブラゴは思うことをそのまま呟いた。
シェリーは、紅潮した顔を更に真っ赤にさせると反論した。
「ブラゴなんだから!……ぁぁ…ブラゴ…あなたが…
 …私をこんなに…してる…のよ…」
そして恥じらいがちに顔を横にそむけ目を伏せる。
シェリーの長いまつげが、まぶたの下に影を落とす。
ブラゴはそんなシェリーの顎を掴み、今一度激しく唇を
あわせると、その両腕を上に抑えつけ、万歳の格好を
させて、キャミソールを乱暴に脱がせた。

寝台の上で、シェリーの身体が軽く弾み、
形の整った乳房がぷるんと震える。
ブラゴはその豊満な谷間に顔を埋めると、柔肌に
何度もむしゃぶるように激しく吸い付き、自分の跡を
残していく。そうしながらも、手は下へと下ろしていき、
下着の中に指を滑り込ませ、淡々とした茂みをそっとまさぐる。
「んっ…くっ…はぁっっ!…ブ…ラゴ…!」
更なる刺激を求めているのだろう。シェリーの切なげな視線を感じた
ブラゴは突然、両手をショーツにかけると力を込めてそれを引き千切った。
「ちょ!…あぁ…っ…な…何するの?…ブラゴ…」
しかし、構わず引き千切った薄い布だけをシェリーの
身体からはずすと、再び真上から、乱れるシェリーの肢体を
舐めまわすように眺める。今やシェリーは、ほとんど裸に
されながらも、ガーターベルトと絹の靴下だけは身につけている状態だ。
一糸纏わぬ姿を見るのも好きだが、今の格好は素裸の状態よりも、
更に卑猥でいやらしい。たまらず、両腕で太股を抱え上げ、
シェリーの陰唇に舌先を這わせ、溢れ出る液体を舐め上げる。

「は…あぁぁ…んっ!!…い…や…ブラゴも…脱いで…」
気付くと、シェリーをこんなあられもない格好にしながらも、
ブラゴはまだ上着の前をはだけただけの状態だった。
確かに自分の素肌に、いつものようなシェリーの愛撫を
受けたいのも事実だが、今はただ早くこの昂ぶりを静めたい。
「…いや…。もう…欲しい…お前が…」
そう言うと、ズボンの中から既に十分に屹り立ったものを
取り出し、シェリーのそこにあてがう。
「あ…。んんっっっ!!い…じわる…、私だけ…こん…な」
更に何か言いたそうなシェリーを黙らせる為にも、ブラゴは
欲望のままに激しく突き動かす。長い髪を振り乱し、
喘ぎまくるシェリーに軽く口付けすると、今度は体勢を変えて、
シェリーを自分の上に跨らせる。こうした方がシェリーの姿を
もっと良く眺める事ができる。
「…シェリー…動いてみろ…」
しかし、いつもと違うやり方に戸惑っているのか、
シェリーは顔を俯けながら小声で呟く。

「いや…恥ずかしい…」
「自分から上に乗る時だってあるだろうが…?」
シェリーは顔を真っ赤にしてブラゴを睨みつけるが、やはり
まだもじもじと動かないままでいる。痺れを切らしたブラゴが
シェリーのウエストを掴み、下から激しく腰を打ちつけると、
シェリーは狂おしげに身をよじらせて、よがり声を上げた。
突き上げながらも両手をシェリーの肌にせわしなく這わし、
ガーターベルトや、靴下に包まれた太股や、
張りのある臀部を撫で上げる。
「あんっっ!…はっ…あぁぁ…んっ!ブラゴッ…ブ…ラゴ…!!」
「…っく…いくぞ…シェリー…」
ブラゴは、既に上の空の表情のシェリーに囁き、
欲望を思う存分その奥深くに放出する。
「ぁ…あぁぁ…ぁ…ぁっ!!!!」
短い嬌声と共に、ぐったりとしたシェリーがブラゴの
胸の上に倒れこんできた。


しばらく後、気を戻したシェリーは両腕をブラゴの首に回すと呟いた。
「…また…ごまかされたわ…。私達…最初は晩餐会の事で
 喧嘩してたはずなのに…。あなた、私の質問に答えてないじゃない?
 ほんとは妬いてたかどうかっていう…」
ブラゴに好きなように扱われて、またそれにどうしようもなく感じて
しまった自分が悔しいのか、シェリーはまた前の話を蒸し返す。
しかし、もはやブラゴは余裕の表情だ。
「フン。俺がそんな下らん事で目くじらをたてると思うか?
 …それに…」
ブラゴはいつもの皮肉な笑みを浮かべると続けた。
「それに…お前のこんな恥ずかしい姿を見る事が
 できるのは俺だけだからな」
またシェリーは憤慨して、ブラゴに応戦してくるかと思ったが、
そうではなかった。シェリーはブラゴのはだけた上着の隙間から
その胸板に顔を埋めると、小さく呟いた。
「…そうよ…ブラゴ…。あなただけよ。私、あなたにしか…こんな所
 見せられない…。こんな…恥ずかしい格好…」
愛しさのあまり、ブラゴはシェリーの額にそっと口付けをすると、
身を起こして、自分の着衣を脱ぎ捨てていく。
シェリーは激しく攻め立てられていたが、ブラゴにとっては
まだまだ楽しみはこれからといったところのようだった。
辺りは深い静寂に包まれ、窓の外の月は既に中天に昇っているが、
この二人の夜はまだまだ長く続きそうな気配であった。




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