だいふく @579


清麿は恵に合気道を教えて欲しいと頼んだ。
これから熾烈になっていく戦いのために、自分自身も少しは強くなっておかなくてはいけないと感じたからだ。
恵は清麿の頼みを快く了承してくれた。

そして約束の日になり、清麿は指定された道場に向かう。
(格闘技の世界って、どんなもんなんだろう…)
今更ながら、だんだん緊張してきた。
「すみません…」
「あ、清麿くん!!いらっしゃい」
緊張しながら道場の扉を開けると、恵がすでに一人で練習をしていた。
恵は袴姿であり、本格的であった。
(恵さん、袴姿も可愛いな…)
清麿が恵に見惚れていると、恵が清麿の方に駆け寄って来た。
「じゃ、動きやすい恰好に着替えて来てね。着替えたら早速練習を始めましょ!!」
清麿は別室で運動に適した恰好に着替えた。
Tシャツにハーフパンツといったラフな恰好である。
清麿が着替え終わると早速恵による指導が始まった。
恵の教え方はとても丁寧で分かりやすく、初めて合気道を習う清麿もいくつかの技を覚えることができた。
「さすが、清麿くん!初めてとは思えないわ!!」
「恵さんの教え方が上手だったからだよ」
「それじゃ、実際に組み手をやってみましょう!」
「…もしかして、恵さんを相手に?」

「そうよ」
「でも、恵さん相手に技を極めるなんて…」
「いいから、遠慮しないで!本気でかかってきてね!私も本気でやるから」
「…わかった…」
恵を相手に技を極めるのは気がひけるが、恵がやれと言っているからにはやらなければならないだろう。

そうして、組み手が始まった。
清麿が技を極めようとしても、恵はそれを軽やかにかわしていく。
反対に恵は清麿にどんどん技を極めていた。
「恵さん、痛い!痛い!!」
「う〜ん…これじゃ練習にならないわね…。──そうだ!」
恵は何かを閃いたような顔をした。
そして恵は袴のポケットから鉢巻きのような物を取りだし、それで自らを目隠しする。
「…恵さん?一体それは…」
「清麿くんへのハンデってとこかな」
「いくらなんでもそれは危険なんじゃ…」
「平気よ」
格闘技を嗜んでいる人は、目が見えなくても相手の気迫などを感じることができるという説がある。
恵もそれができるのだろうかと思いながらも、組み手を再開した。
目隠しをしたせいで、恵の動きは先程より明らかに悪くなっていた。
おかげで、清麿は恵を捉らえることができた。
(よし…)
そして、そのまま恵に技を極めてみようと試みた。
「うわっ!!」
「きゃっ!!」

しかし、清麿は途中でバランスを崩し、そのまま転んでしまった。
「痛っ…」
清麿は恵の上に覆い被さってしまっていた。
「あっ…恵さん、大丈夫か?」
押し倒してしまっているような体勢になってしまい、顔を朱くしながら清麿は恵に問い掛ける。
しかし、恵の返事はない。
「…恵さん!?」
慌てて恵を抱き起こすと、恵はぐったりしていた。
恵の目隠しを外し、恵の様子を見る。
「……!!」
恵は気を失っていた。
清麿は動揺しながらも、恵の状態を判断していく。
(息はあるし、目立った外傷もない…。どうやら脳しんとうみたいだな…)
自分に医学の知識があってよかったと心底思った。
それから、マットを布団の代わりにして、その上に恵の身体を横たわらせた。
さらに、自分の着ていたTシャツを恵にかける。
(恵さん…すまない…)
申し訳ない気持ちになりながらも、ふと恵を見てみる。
不謹慎であるが、ぐったりと気を失っている姿が妙に色っぽい、と思った。
さらに目線を下にやると、恵の胸元からブラジャーが覗いてしまっていた。
恵を運んだ時に胸元がはだけてしまったらしい。
つい、恵の乱れた胸元に目が行ってしまう。
はだけた胸元を直そうと恵の胸元に手をやる。

その時、恵の乳房に触れてしまった。
乳房の柔らかい感触を感じ、そのまま触っていたい、と思った。
しかし、こんな状況下で、そんなことを思ってしまった自分が堪らなく嫌になってしまう。
(俺のせいで恵さんが気絶したのに、何を考えているんだよ…)


しばらくすると、恵が目を覚ました。
「……あれ?私…」
「恵さん…!ごめんなさい!!俺のせいで…」
「あ…」
恵は清麿に技を極められる途中で意識が飛んだことを思い出したようだ。
「ううん、気にしないで!痛いところも傷もないし、全然平気よ!」
「でも、恵さんをこんな目に合わせてしまったし…」清麿が申し訳なさそうに謝る。
そこで、恵は不敵な笑みを浮かべながら清麿に近づいていった。

「……じゃ、ちょっとお仕置きしちゃおうかな。清麿くん、目つぶって」
きっと何か技を極められると思い、清麿は身を固くした。
その刹那、清麿の唇に柔らかい物が触れた。
「……!?」
予想外の出来事に清麿は驚いて目を開くと、恵の唇が自分の唇に重ねられていた。
そして、そのまま優しく押し倒される。
「め…恵さん…?」
「寝技の特訓するの。付き合って貰うわよ」
恵は清麿の上に馬乗りになり、清麿の露になった胸板につつ、と指を滑らせた。

「くっ…」
くすぐったさと快感が入り乱れた感覚が清麿を襲った。
さらに恵は清麿の胸元に舌を這わせ、乳首を舌で転がした。

恵は清麿の乳首から口を離すと、視線を清麿に向けた。
「清麿くん…お尻に何か当たってるんだけど…」
乳首への刺激のせいで、清麿のモノは首をもたげ始めていた。
「清麿くんのえっち…。」
「だって…恵さんがそんなことするから…」
「言ったでしょ?寝技の特訓だって…。まだまだこれからよ」
そう言うと、恵は清麿のモノをズボンの上から優しくさすった。
「…っ」
服の上からとはいえ、直接刺激され清麿のモノは大きさを増していく。
恵は清麿のハーフパンツとトランクスを一緒にずらし、清麿のモノを露出させた。
「寝技で清麿くんをメロメロにしちゃうんだから…」
恵は清麿の頭の方に脚を向けて四つんばいになり、清麿のモノをこすり始める。
「うあっ…」
清麿の下半身に快感が走る。
「どう?参った?」
そのまま恵は清麿のモノに舌を走らせる。
「んふっ…」
「くあっ…恵さん…」
恵はちゅ、ちゅと音をたてながら清麿のモノを丹念に舐めていく。
清麿の目の前では恵のヒップが誘惑するかのように揺れていた。

清麿は誘うようなその動きにつられ、恵の袴に手をかけ、そのまま引っ張った。
すると、純白のショーツに包まれたヒップが露になる。
「あ…!!清麿くん…!?」
予期せぬ清麿の行動に、恵は驚き、困ったような視線で清麿を見た。
「いや…俺も寝技の練習がしたいと思って…」
清麿はそう言い、恵のショーツを下にずらす。
すると、清麿の眼前に鮮やかなピンク色をした恵の秘部が広がる。
「やっ…恥ずかしいよ…」
お構いなしに清麿は首を少し持ち上げ、恵の秘部に舌を這わせた。
「ひっ…!!」
恵の腰がびくんとわなないた。
清麿はぴちゃぴちゃと音をたてながら恵の秘部を舐めていく。
「あっ…そんな…」
自らの秘部から卑猥な水音がする恥ずかしさで恵はさらに顔を真っ赤にする。
「んっ…はあぁぁっ…」
清麿の舌が恵の秘部をぬらぬらと滑っていく。
恵は清麿を攻めることを忘れ、甘い吐息を漏らす。
清麿の刺激によって恵の秘部はとろとろに潤っている。
「恵さんも、すごく濡れてるよ…」
「あ…だって…」
恵も負けじと清麿のモノを攻めようとするが、快感で力が入らず、なすがままになってしまう。
恵は我慢できなくなり、潤んだ瞳で清麿を見つめた。
「清麿くん…私、もう、我慢できない…」

「お…俺も…」
そして、恵は清麿のほうに向き直った。
恵が上から清麿のモノを掴み、ゆっくりと嵌めこんでいく。
「あ…んふっ…」
「くっ…」
清麿のモノが恵の一番奥まで入り込んだ。
「ああぁっ…深いよぉ…」
恵の背筋がぴんと弓なりになる。
清麿は手を伸ばし、恵のブラジャーをずらした。
そして、露になった乳房を揉んだり、乳首を弄んだりと恵の乳房の感触を楽しむ。
「ふぁ…清麿く…あぁっ…」
我慢できず、恵が自ら腰を動かし出した。
「うぁっ…」
恵が動くと二人の秘部がじゅ、じゅと音を立てて擦れ合う。
「あっ、あっ、はあぁん…」
恵が動く度に乳房が上下に揺れる。
「はっ、あんっ…ひあぁぁん!!」
清麿の先端が恵の奥の奥にこつんと当たる度、恵の喘ぎが大きくなった。
そうやって二人で快感を貪りあっているうちに、絶頂が近づいてきた。
「清麿くん…ああぁぁっ…!!」
「恵さん…出るっ…!!」
清麿は腰を引き、恵から自分のモノを引き抜いた。
その直後、清麿の先端から精液が勢いよく射出された。

恵は清麿に馬乗りになったまま、肩で息をしている。「はぁ…はぁ…清麿くん…」「恵さん…」


恵は清麿の横に寝そべり、瞳を見つめながら問い掛けた。
「どうだった?私の寝技…」
「い…いや…あれは寝技なのか…?」
「寝技よ…。で、どうだった?」
「……相変わらずお上手で…」
照れながらも清麿は正直な意見を口にした。
「清麿くんこそ、寝技もお上手ね!!」
「…そうか?」
清麿は褒められたが、喜んでいいのかどうかちょっと複雑であった。
「上手なのはいいけど…他の人に使ったら承知しないからね」
恵はにっこりと笑みを浮かべながらそう言った。
笑顔でそんなことを言われると何だか恐い。
「恵さんこそ、他の奴に寝技かけたりしないでくれよ…?」
「もちろんよ!!私が寝技をかけるのは清麿くんだけだもん」
「……」
清麿は顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。
「清麿くん、大好きよ♪」
恵はそう言うと清麿の頬にそっと口づけた。
清麿の頬がさらに朱くなったのは言うまでもない。


〜おしまい〜

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