小市民 @711


ゼオンは丘に寝転がり、空を眺めていた。
辛かった。あいつと・・・・ガッシュと顔が似ていたばっかりに・・・・
パティと言う女にストーキングされ、ティオと言う女には屈辱的なSMプレイをされた。
それでも、暗い過去や憎しみは、この空の前ではちっぽけな事だ。
「ガッシュー!!」
誰だ??せっかく良い気持ちだったのに・・・
振り向いた先には、淡いピンクの髪をした、可愛らしい容姿の少女がいた。
可愛らしい容姿と言う点では、ティオやパティも同じだが、その二人から感じる禍禍しいオーラは微塵もかんじない。
一目惚れという物なのだろうか、胸の鼓動が止まらなかった。
少女は隣に座り、摘んだ花で冠を作っている。
「はい、できた。」
花の冠をオレの頭に乗せて微笑む。嬉しくて、恥ずかしくて、顔が赤くなる。
「フフッ、似合ってるわよ、ガッシュ。」
やはり、この娘はオレを「オレ」じゃなく「ガッシュ」と見ている。
どうすればいいのか、分からない。いや、どうしようも無いのかもしれない。
とにかく遣る瀬無い気分だ。


「おにぎり持ってきたの。一緒に食べましょ。」
バックからおにぎりを二個取り出し、一つをオレに渡す。
腹は減ってなかったが、あんな笑顔で渡されたらいらないとは言えなかった。
うまい・・・・思えば魔界で他人に食べ物を貰うなんて事は殆どなかった。
「ガッシュ、ご飯粒付いてるよ。」
右頬に付いたご飯粒を指で取る。
触れた。そして、思わず抱きしめたくなった。
「きゃっ!!」
気が付いた時には文字通り、オレは少女を抱きしめていた。
胸や腹、背中。少女の体はどこも温かった・・・・いや、熱いくらいだ。
もう我慢できない。自分だけのものにしたい・・・・・心も、身体も・・・
そのまま走り出した。誰にも邪魔されたくないから、ひとけの無い森へ走った。
森の中は丘と違い、薄暗い。抵抗出来ないように、痛くないようにおさえつけ、
服を脱がそうとする。
しかし、腕が動かない。まるで金縛りにでもあったかのように
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
声にならない叫びを上げて、少女に背を向ける。

「どうしたの?ガッシュ。今日、変だよ??」
当然だろう。あのガッシュが、
いきなり森へ連れ込み、犯そうとしたのだから。
「いつもならもっと大胆なのに・・・」
「なっ!!」
ガッシュは、すでにオレの知っているガッシュではなかった。
オレより、遥に上を行っていた。
悔しくて、しょうがなかった。
今の子供がここまで進んでるのには驚いた。
「ほら、お腹を壊したとか・・・・」
「なっ、なんでもない!!!」
来た道を走っていく。その目には涙があった。
なぜ泣いているのか、どこへ走るのか、解らなかった。
ただひとつ解るのは、あの少女の目に映っているのは、オレじゃなくてガッシュだと言うことだけ・・・・



翌日 「ガッシュ、昨日どうしたの??」
「ウヌ?なんの事なのだ??」
「ほら、昨日あの丘で・・・・」
「ウヌウ、昨日は丘には行ってないぞ??」
「(じゃあ、誰だったんだろう・・・・??)」
「そんな事よりも、早くやるのだ。」
自分の固くなったモノを、衣服越しにコルルに押し当てる。
「ガッシュ、宿題は終わったの?」
「ウ、ウヌ・・・まだなのだ・・・・」
「じゃあ、先に終わらせること。それまでお預けよ。」
「ウヌ〜〜〜〜〜〜・・・・」
誰だかは分からない。
ただ、もう一度会ってみたい。
必死に宿題をしてるガッシュを尻目に、そんな事を思うコルルであった。







「フハハハハ!!キッド、次回は『コルルの浮気!!?ゼオンの童貞卒業なるか!!』なのだよ!!」

「本当!!!?博士!!」

「ウ・ソ」

「ガーーーーーーン!!!」




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