ウニ @77


「恵!こっちこっち!こっちあるよ!」大声で叫び、手を振る中華娘が一人。
「ちょっ!リィエン!」
 恵はあわててリィエンに駆け寄ると、左袖をつかんで頭を寄せて囁いた。
「お忍びだから、大声出さないで!」
 いくら眼鏡や服装で軽く変装してるとはいえ、目立つことは避けたい恵であった。
「スマンあるよ。」頭を掻きながら照れ笑いするリィエン。
「東京のお店の事なら、恵に聞いたほうが判るかと思って。」今度は小声で話し始める。
「まぁ、今はポッカリ時間空いてたからいいけどもね。」微笑む恵。
 とりあえず二人は歩き始めた。

「ティオはどうしたあるか?」
「今日はガッシュ君のとこに遊びに行ってるわ。ウォンレイは?」
「ホテルで待っててくれるよう頼んだある。恵と女同士で買い物したいから、って言っ
 てあるあるよ。」
「そう。で、買い物って何を買いたいの?」
「実はね・・・」立ち止まり、恵の耳元に囁いたリィエンの言ったものとは・・・

「ええ〜〜〜っ!!」
 思わず大声を上げる恵。顔が赤くなっている。
「声が大きいアルよ。お忍びじゃなかったあるか?」
 目の前で自分をたしなめるリィエンの爆弾的な発言に、恵は信じられない思いでいっ
ぱいだった・・・

「たくさんあるよ!ここなら良いもの買えそうある。」喜ぶリィエン。
「そ、そう?それなら良かった・・・」引きつる恵。
 実はリィエンが恵に案内を頼んだのは、男性下着と女性下着それぞれの専門店であった。
もっとも、恵は男物の方が全然わからないため、結局、何度か入ったことのある若者向け
のファッションビルに当たりを付けたのであるが・・・結果として、男性下着専門店では
ないものの、男女双方のものを扱っている、どちらかというとカップル向けの下着屋を見
つけたのだった。

「ああ!これ欲しかったあるよ。」リィエンが手に取ったのは・・・ヌーブラ。
(うわっ、大胆ね)びっくりする恵。
「チャイナ服だと、普通のブラじゃラインが見えちゃうある。だから、普段は付けないで
 いるある。でも、これなら大丈夫ある。」
「なるほど〜(普段はノーブラか!)」
(ノーブラがヌーブラに・・・どっちにしても大胆ね)内心でツッコミまくりの恵。
「恵はこれ、使ったことあるあるか?」笑顔の質問に、
「私はまだ・・・ないなぁ。アハハハハ」渇いた笑い。
「これ付けて、清麿をびっくりさせたらどうある?」
「なっ!わ、私と清麿君はそんなんじゃ、無いわよっ!」真っ赤にして手をブンブン振る
恵の顔はぎこちなくなっていた。


「清麿くぅ〜ん? イイモノ見せてあげよっか?」ウインクしてノースリーブのシャツを
たくし上げようとする恵。
「め、恵さん、なんてことを・・・」と言いつつ目が離せない清麿。顔が真っ赤になって
いる。
そのままシャツをたくし上げる恵。下乳が今にも見える瞬間!そこにはヌーブラが・・・
「ざぁ〜んねんでした。」ニコッと笑う恵に、
「め、恵さん!俺、もう我慢できない!」ガバッと襲い掛かる清麿。
「あ、だめよ、清麿君、清麿君ったら・・・・・・」


「恵。恵!どうしたあるか?」気がつくと、恵はリィエンにガクガク揺さぶられていた。
「あっ!・・・何でもない!何でもないよ!」あわてて手を振るが顔がユルみきっている。
「ふぅ〜ん。そうあるか・・・・・・あっ!あった!これ、これ欲しかったあるよ!」

今度リィエンが手に取ったものは・・・・・・ビキニパンツ。
(うわっ、大胆ね)びっくりする恵。
「ウォンレイ、初めて会った時はフンドシだったある。でも、ブリーフじゃ情けない感じ
 だし、トランクスもいまいちある。やっぱり、ビキニパンツだとキュートなお尻が見え
 てセクシーある。中国じゃ無地ものしかなくて地味だったけど、でもこれなら大丈夫あ
 る。」
「なるほど〜(って、虎ガラ!)」
(虎の術出すだけに虎ガラか・・・って関係ないか、アハハ)内心でボケまくりの恵。
「そんなのウォンレイに穿かせてどうするつもりよ〜?」意地悪な笑顔での質問に、
「べ、 別に・・・どうもしないある。アハハハハ」渇いた笑い。
「これ付けさせて、ウォンレイに一体何をさせたいのやら?」
「なっ!わ、私は別に!ただ、ウォンレイにもっとカッコ良くなってほしいだけで!」真
っ赤にして手をブンブン振るリィエンの顔はぎこちなくなっていた。


「ウォンレイ? イイモノ見せてあげよっか?」ウインクしてチャイナドレスの前をはだ
けるリィエン。
「リ、リィエン、なんてことを・・・」と言いつつ目が離せないウォンレイ。顔が真っ赤
になっている。
 そのままの格好でひざまずき、ウォンレイのズボンを下げるリィエン。ビキニパンツが
今にも見える瞬間!そこには、猛り狂った猛虎が・・・
「ウォンレイのすごいある・・・バウレンって唱えたらここから何か出そうある。」
ゴクリとつばを飲み込むリィエンに、
「リ、リィエン!私はもう我慢できない!」ガバッと襲い掛かるウォンレイ。
「あ、だめよ、ウォンレイ、ウォンレイったら・・・・・・」


「リィエン。リィエン!どうしたの?」気がつくと、リィエンは恵にガクガク揺さぶられ
ていた。
「あっ!・・・何でもない!何でもないある!」あわてて手を振るが、顔がユルみきって
いる。
「ふぅ〜ん。そっか・・・・・・とりあえず、会計すませましょう?」
「わ、わかったあるよ。」慌てて気を取り直すリィエン。
 買い物を終えた二人は、明日サンビーム宅で会う約束をし、その場は別れることとした。
「今日は助かったあるよ、恵。どうもありがとうある。」リィエンが手を合わせ、お辞儀
をすると、恵も、
「いいえぇ、どういたしまして。」そして、リィエンの耳元に囁いた。
「後で、今日の戦利品、どう使ったか教えてね。」うふふふふ、とニヤける恵。
「もう、恵ったら・・・」顔を赤らめて少し困った顔で照れるリィエン。
 その後、リィエンは恵にホテルの近くまで送ってもらったのであるが、そのときリィ
エンは、胸にとある決意を秘めて、ウォンレイの元へ向かったのであった。

 リィエンは何度か日本に来たことがあるものの、ウォンレイに取っては日本は初めてだ。
ましてや、初めての東京だ。リィエンと出会った香港とはまた違った、東京という都会を
ウォンレイはホテルの一室の窓からずっと眺めていた。
 しかし、流石に飽きてきて、部屋の中を見て回ることにする。と言っても、見て回る事に
それほど時間は掛からないが。
 テーブルや湯沸しポット、ハンガー、TV、ソファー、大きなダブルベッド・・・
 ナゾナゾ博士の取り計らいで、今回、日本へ招待された訳だが、この大きなベッドに枕が
二つ・・・と言う事は、二人一緒に寝るように、ということらしい。
 余計な事を、と思う。ウォンレイはリィエンと一緒に暮らし始めたが、まだ同じ床で寝た
事は無い。寝床は常に別々にしており、それは、南米のデボロ遺跡に行った際、アポロが用
意してくれたホテルでも同様であった。
 幸い、部屋には二人掛けのソファーがあるので、夜はそこで寝ればいいだろう、と考える。

 続いて、洗面所の方をのぞく。今回、ナゾナゾ博士が用意してくれたホテルはグレードが
高く、洗面所兼脱衣所と、トイレ、風呂はそれぞれ別々となっている。
 風呂場をのぞくと、中は結構広めであった。
 給湯口を捻り、シャワーを出してみるウォンレイ。
 捻るだけで湯が出るし、ボタン一つで風呂を沸かすことが出来る。日本は恵まれているな、
とウォンレイは思わず思ってしまう。そして、中国と日本の暮らしの違いを考えてしまった。
 中国での生活を考えると、ここしばらく自分を悩ませている問題が、また思い出させられ
る。
 ウォンレイは部屋に戻り、ベッドに身を投げ出して、数日前の出来事を思い出していた・
・・・・・

 ウォンレイ達が暮らす村は、一応電気は通っているものの、使用用途はせいぜい電灯くらい。
田舎のまだまだ近代化されていない地域である。水道は裏山から地下水を引いているので、
水汲みまではせずに済むが、かまどや風呂は薪で火を起こさなければならない。
 離れにある風呂はあらかじめ薪で火を起こし、誰かが火加減を調節しながらでないと風呂に
入れないのだ。仕事で疲れてるだろうからと、リィエンはいつもウォンレイに先に風呂を勧め、
自分は火加減を調節していた。
 それでいて、自分が入る番の時は、お湯はまだ温かいしウォンレイが湯冷めしてしまうから、
と言う理由でウォンレイのかまど番を拒否するのだ。
 いつもそんな調子で尽くしてくれるリィエンが愛らしくて、また、何とかしてあげたくて、
ウォンレイはあの日、恥ずかしくてもリィエンを誘ったのだった。

「リィエン、別々に湯加減を調節していては、体が冷えてしまう。一緒に入ろう。」
「えっ!・・・・・・い、いいあるか?」壁越しではあるが、リィエンの声に恥ずかしさと嬉
しさが混じっているのが判る。
 ほどなくして、脱衣所にリィエンがやってきた。
 浴室の引き戸の向こうで、リィエンが服を脱ぐ衣擦れの音が、かすかに聞こえる。
そして・・・・・・

 ガラララと音がして、引き戸が開くと、そこには一糸まとわぬリィエンがいた。
 真っ白い陶磁のような肌に、シニヨンキャップに閉じ込められていた腰まで届く漆黒の黒髪が、
絶妙のコントラストで映える。リィエンは着やせするのだろうか、普段の服装からは意外なほど
豊満な乳房を、右腕を横にして自らの体を抱くかのように、乳房の頂点を隠している。左手は引
き戸に手を掛けているため、脚根の黒く茂る秘所は丸見えであった。
「ウ、ウォンレイ、は、恥ずかしいある・・・そんなに、じっくり見ないであるよ」
顔が赤いリィエン。
「あ、ああ、すまない、リィエン。」思わず見とれてしまった、とは言えないウォンレイ。
 それは、リィエンの美しさへの感動と、艶かしさへの衝動の双方が入り混じってしまった為の
凝視であったが、口に出すことはためらわれた。
 浴室へ入ったリィエンは、手桶で汲み出したお湯で体を流すと、ウォンレイの浸かっている
湯船に足を差し入れた。

 普段は中華ズボンに隠されているため気にも留めていなかったが、リィエンの脚はカンフー
を身に付けている為か、引き締まっていて無駄な贅肉がない。それでいて、筋骨たくまし過ぎず、
真っ白で細身のその脚は間近でみるウォンレイの視線を釘漬けにする。
 さらに、ウォンレイは目が離せなくなる。
 それは、今も見とれ続けている白脚の付け根。浴槽をまたぐために、おおっぴらに開帳されて
いるリィエンの秘所。
 黒々と茂るその草むらは、白磁のようなリィエンの肌に、相応しくないように見える。
 リィエンのような可憐な女性に、その茂みは存在してはいけないような気がし、同時にある種
の背徳感のようなものとなって、ウォンレイの股間の虎に更なる刺激を与えるのだ。

 そうして見とれているのも、実は一瞬のことで、次にはリィエンは残ったほうの脚も湯船に入
れると、ゆっくりと体を沈めてゆく。
 水面に黒い茂みが浸ってゆくと、その次には柔らかそうな下腹が、そして、へそ、細く締まっ
た腰と続き、豊満な乳房の下乳が浸る。乳房を隠す右腕が沈み込み、抱き寄せられた両の乳房に
よる豊かな谷間、ほっそりとした首筋、そして、ちょっとふくれて唇を尖らせたリィエンの・・
・・・真っ赤な顔。
「ウォンレイ、何見てるあるかぁ!ウォンレイのエッチ!」
「い、いや、別に・・・」顔を赤らめながらも、言い訳するが、
「フフッ、冗談あるよ。」次にはニッコリするリィエン。

 決して広い浴槽ではないので、お互いに体の置き方を調整しようとし、結局、先に浸かってい
るウォンレイが脚を伸ばしきれないまでも浴槽に座る形のままで、リィエンがそのウォンレイの
太ももの上に尻を置く形となった。これは、お姫様抱っこ状態のまま座ったようなものである。
「リィエン、これでは、君は肩まで浸かることができないではないか。それに・・・」
「それに、何ある?」今度は妖艶に微笑むリィエン。
 背丈が近いカップルがお姫様抱っこのまま座ると、結果として、女の胸は男の目の前に来る。
バランスを取るために男性の首に女性が手をまわせば、それはもう無防備で美乳全開、さらには
女性の柔らかな太ももに男性器の怒張が自己主張する結果となる。
 
 いまや、ウォンレイの目の前には、先ほどまでリィエン自身の腕によって隠されていた乳頭が、
惜しげもなく晒されていた。
 たわわな乳房の頂上付近には、薄桃色の乳輪とぷっくりと尖った乳首がウォンレイを見つめて
いる。
「恥ずかしいけど、ウォンレイになら見られてもいいある。元々、これはウォンレイのものある
よ。」リィエンはウォンレイの頭を両手で包むかのように抱いた。
「吸っていいのよ、ウォンレイ・・・」
リィエンの言葉が頭に響く。(吸って・・・吸って・・・吸って・・・)
抗いようも無く、ウォンレイはそっと、リィエンの乳首に顔をよせて吸ってみた。
「アッ、アアン!」のけぞるリィエン。
自然と、ウォンレイの男の本能が体を動かす。リィエンの右乳首にそのまま吸い付き、左乳首を
右手で弄びだす。

「んあぁっ・・・はぁっ・・・ふぅっ、あ、あアアアァん!」
悶え始めたリィエンの様子になおさら燃えてくるウォンレイ。
舌を使って、ぷっくりとした乳首の側面を舐め回し・・・
「んぁぁっ!」
根元から先へ舐め上げ・・・
「んっっ!」
乳頭を舌先や舌裏を使って舐めこすり・・・
「はっ、あっ、はぁっン」
つい、疎かになっていた右手指で左の乳首をこね上げる。
「んぁぅぅっ、はぁふ」
 度重なる快楽の波浪に、リィエンの息は切れ切れに上がり始め、ハァ、ハァと絶え絶えな呼気が
ウォンレイの耳元に吹き付ける。見上げると、もはやリィエンの目は据わっており、瞳に淫靡な光
を湛えている。それはもう、ウォンレイが普段見知っているリィエンの姿ではない。

 ウォンレイには、それが、1匹の欲情した雌に思えた。顔は確かにリィエンだ。でもリィエンで
はない。自分が知っているリィエンはもっと清楚で愛らしくて、そして一途に自分を思ってくれて
いた人だった。それが、今自分の目の前で惜しげもなく裸体を晒し、ウォンレイに乳首を吸わせ、
悩ましい喘ぎ声を上げる、この人は一体誰だ?今ならば、他の男相手でも同様に乱れるのではない
か?そんな迫力を感じてしまう。
 リィエンであることは間違いないのに、ウォンレイは思わず、そう思ってしまうのだ。
そうして、あれほど、リィエンを大事にしていた自分のはずなのに、今や、休むことなくリィエン
の体を抱きしめ、乳房をもみほぐし責め上げ、雌をひたすら喜ばせている自分も、一体何だか判ら
なくなってくるかのように錯覚を覚える。
 ウォンレイの股間の怒張は今や猛々しく、まさに猛虎を体現している。
 このまま自分もただの雄となってしまいたい、そんな気になってくる。
“私は、気が狂ってきているのだろうか?”

 ウォンレイが倒錯の渦に引きずり込まれようとしているときに、リィエンは体を組み替え、右足
でまたいでウォンレイの正面に完全に向き合う体勢となった。対面座位である。リィエンが大股を
開いてウォンレイの両脚をまたいでいるため、お湯越しにゆらゆらと海藻のような秘部が見える。
そして、それがウォンレイに近づいてきて、ウォンレイの猛虎の先端がリィエンの下腹部に当たる。
 リィエンはかまわず、そのままウォンレイを体全体で抱きしめた。
「ウォンレイ・・・好きあるよ・・・」
「私の・・・旦那さま・・・」
「私の・・・ウォンレイ・・・」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力を込め、耳元で愛を囁く。
リィエンは続けた。
「ウォンレイ、お願いある・・・今まで、ずっと待ってたあるよ。このまま、私を女にして欲しい
 ある。ほんとの夫婦になりたいあるよぉ!」
囁きが終盤では欲情に耐え切れず、切ない叫びとなるリィエン。
リィエンはウォンレイの猛虎を左手で掴み、その先端を自分の秘部にあてがった。
「あァッ!」
「ううっ!」
お互いの先端が触れるだけで、共に声を上げてしまう二人。
「くっ!ダメだ、リィエン!こんなことは、してはいけない!」
ウォンレイは歯を食いしばって正気を保ち、腕の力だけで、リィエンの体を自分から遠ざけた。

「ウォンレイ・・・どうしてある?どうして!」リィエンは呆然として呟いた。
「リィエン・・・私は、あなたを傷つけたくはないのだ・・・」
「何言ってるのよ・・・私たち、夫婦でなかったあるか?それは、籍も入れられないし、披露宴も
 上げてないけども、私たちは夫婦になったんじゃなかったあるか!?」
うつむくウォンレイ。

「私、あなたの“守る王”の姿を心に焼き付けるある。でも、それだけじゃ無い!あなたが、私に
 残すことができるものは、それだけじゃ無い!」ぼろぼろと涙がこぼれる。
「私、ウォンレイに抱いて欲しいあるよ!あなたを、体でも感じて覚えておきたいの!あなただけ
 のものになったという証が欲しいあるよ!それで・・・・・・」
激情を抑え、泣き笑いながらリィエンは静かに言った。
「・・・出来れば、ウォンレイの子供が欲しいある。」
ハッと顔を上げるウォンレイ。そこには、悲しげに泣きながらも、微笑もうとするリィエンの顔が
あった。
ウォンレイの顔がゆがむ。こぼれそうになる涙を抑え、苦しげに、切なげに。
「・・・リィエン。魔物と人間との間には、子供は出来ない。」
「私は、あなたを傷物にするわけにはいかないのだ。いずれ、私は魔界に帰る。あなたはには、き
 っと良い伴侶が見つかるはずだっ・・・」このような台詞を口にしなければならないことに、
ウォンレイは悔しくてたまらなかった。
「一線を越える訳にはいかないのだ。許してくれ・・・・・・」
うつむいたまま、悔しさと悲しさに拳を握り締める。
「・・・・・・お風呂、先にあがるあるよ。」
 リィエンは静かにそう言うと、ウォンレイに背を向けて、浴室から出て行った・・・

 その後、お互いに気まずい雰囲気のまま数日が過ぎ、今回の日本行きとなったのであった。
あのときのことが、ウォンレイの心に今も重くのしかかっている。
“私のしたことは、本当に正しかったのだろうか・・・?”
 心は、晴れない。


 月の綺麗な夜だった。
 川のせせらぎのほとり、丸石の敷き並ぶ河原を歩み、大きめの岩塊に腰を掛けるリィエン。
「はぁ・・・」ため息が出る。 
 部屋の布団はいつもより離して敷いた。
 風呂から上がってきたウォンレイとは口をきかなかった。
 寝るときもウォンレイには背をむけて・・・・・・そして、寝付けないでいた。
 しばらくして、ウォンレイの寝息が聞こえてきた時を見計らって、リィエンは外に出た。
“今は、あの人とは一緒に居たくないある”
 それは、拒絶された空しさのせいでもあるが、同時に、収まりのつかない体の火照りのせいでも
ある。
 何も考えることもできず、ただ虚ろに夜空を見上げる。
こみ上げてくる涙。綺麗な月が歪み始める。しゃらしゃらと、絶えずせせらぎが聞こえる中で、
リィエンの涙もこぼれ落ちた。
 リィエンが腰掛けている岩塊は、卓のように上面が平なものだった。リィエンは腰の位置はその
まま、上体を岩卓のうえに放り出し、仰向けになって夜空を見上げた。
 何とはなしに、体が火照って熱い・・・
 無理もない。待ち焦がれて、やっと訪れた機会の中で、いざ、というときに止められたのだ。
リィエンはそのまま、夜着の止め紐をほどくと合わせを開き、肌着をたくし上げて豊満な胸を露出
させた。両の手で、それぞれの乳房を掴むようにもみ始める。
「ん・・・あ・・・あ・・・はぁん・・・」
声が漏れる。
“自分はこんなとこで何をしているんだろう?”とかすかに考えるものの、手の動きは止まらない。
夜気に素肌を触れさせながら、こんな野外で、誰かに見られたら困ることをしている。
しかし、なかば自暴自棄な判断が、体を止めようとはしない。

“もう、どうなったっていいある。私なんか、もうどうなったって・・・・・・”
ウォンレイにしてもらった風呂場での愛撫を思い出して、乳房を、乳頭を、もみし抱く。
“あっ、あん、あァ、ァハン・・・あっ、あっ、あっ、あぁあん・・・ァ、ハァァっん、ンゥッ、
 フゥゥッ・・・感じる、感じちゃうぅ、・・・ォンレイ、私の体、感じすぎるアルよ・・・
 こんなにあなたを求めてるある・・・フッ、ふゥゥゥ、あっ、あぁぁ”「あぁっ、あぁぁあああっ」
脳内の喘ぎが、いつしか声に出始める。内なる声が外に漏れ出し、いつしか川のせせらぎなど、
リィエンの耳には入らなくなっていた。

 月明かりに照らし出された白い裸乳は、自身の弾力と愛撫との間に、形を変化させ続けている。
どんなに凹んでも、次の瞬間にはピンと張った乳丘が復活し、その頂点では月へと届かんとばかり
に、乳首がビンビンにそそり立っていた。乳頭からの痺れるような快感に、乳房からくる、暖かく
体に広がるような快感に、そして、リィエンの秘部からくる、激しい刺激を求める脈動に、リィエ
ンの理性はもはや限界だった。
 勢い良く、夜着と下着を膝上までずり下ろす。股間の茂みが夜気にふれて、一瞬だけくすぐった
い。左手は左胸を愛撫したまま、右手を股間に伸ばす。もはや大洪水の秘裂は指先でなでるだけで、
じゅるん、と新たな快感を伝える。
“これじゃない、これじゃ足りない!”
人差し指と中指をそろえ、秘裂に一気に突っ込む。
「アァァッ!」
膣口を指先でなぞり、円を描き、人差し指と薬指で開き、中指をぬぶぶぶぶ、と差し入れる。
「イ、イイアル・・・」
膣壁を中指先でぐりり、と指圧するたびに、快感が子宮に響く。
「フゥゥゥン・・・」
一度中指を戻しかけて、そして、リィエンは中指を中心に、指3本を一気に秘壺に突入させた。
「あぁああぁぁぁあっ!!」
未だ処女であり、奥深くまで挿入出来ないとはいえ、リィエンの指先は膣壁をかき回し、3本分の指
による肉厚感は秘壺そのものを収縮させ、それらの行為は一体となって、リィエンの体に快楽の波動
を流し始めた。

 初めはある程度の周期で、そして次第に周期の間隔が狭まり、だんだんと大津波が押し寄せて来る
ことをリィエンの体は予感し始める。期待に体が震え、より一層の快楽が体に広がっていく。それが、
さらなる期待を呼び、予感はもはや、現実のものとなりかける。そして・・・・・・
「ンぅっ、あっ、あっ、ア・・・・・・アァァァァァッ!!ウォンレイッ!!」
下腹部の奥でびくんっ、びくんっ、と感じて、それにあわせて体もヒクつく。右手指先は膣内で
ぎゅうぅと締め付けられ、体の先々まで広がった悦楽の波によってリィエンの頭の中は真っ白となっ
た。激しい自慰行為に疲れ果て、息を整えながら体を横たえるリィエン。
 月明かりが裸身をやさしく照らし、川のせせらぎが再びリィエンの耳に聞こえてくる。
“ウォンレイ・・・私はあきらめないある・・・あなたを必ず、振り向かせるあるよ・・・”
つむる目から涙を一筋流し、リィエンは新たな覚悟を決めた。 

 あの夜のことを思い出し、リィエンは再び体が火照ってくるのを感じていた。体の奥が、じゅん、
と濡れだしたような気がする。乳首がツン、と張ってくるのが判る。
 “まだ早いある。これから勝負あるよ。”
 ホテルの共用トイレで、今日買った品物を身に付けながら、つい先日の夜のことを思い出してしまっ
たリィエンであった。しかし、期待に体を振るわせるのはまだ早い。リィエンはこれからの勝負の為に、
気合を入れるのであった。


「ウォンレイ、少し話があるよ」
 買い物から帰ってきたリィエンが、真面目な顔をしてそう切り出した。
 ウォンレイはソファーに、リィエンはベッドに腰掛け、向かい合う。
「この前の事から、私ずっと考えてたある。」リィエンはまっすぐにウォンレイを見つめて続けた。
「魔物と、そのパートナーとは一体どういう関係であるべきかを。」
 ウォンレイはリィエンのその言葉に、今までの二人の関係が断ち切られてしまう予感がした。
「今まで出会った人達を見ると、それは、例えば親子や兄弟のような、肉親的な情だったり、師弟関係
 のような信頼や、友達のような友情とかで」
「私達のように、互いの年齢も近い、魔物とパートナーで恋愛関係は聞いたことがないある。」
 リィエンは一度区切って、続けた。
「でも、少なくとも言えるのは、パートナーは魔物の成長に影響を与え、先へ導くものある。ただ魔界
 の王にするのではなくて、王に必要な事を身をもって伝えなければならないある。」
 ウォンレイは、明日再会する予定の、共に戦った仲間達を脳裏に浮かべた。確かに、魔物として幼い
 もの達ばかりだが、皆それぞれ良いパートナーに恵まれ、良い成長をしているように思える。
「私達のように、お互いが対等に恋愛関係にある組み合わせは、じゃあ、どうあるべきか?」

 ウォンレイはリィエンを見つめた。リィエンは真っ直ぐに射抜くような真摯な眼差しでウォンレイを
見る。リィエンの声が冷徹なものとなった。それは、聞く人によっては、子を叱る母の声のように聞こ
えたかもしれない。
「私は気がついたある。魔物と対等な関係はありえない。私はパートナーとして、あなたを導き成長さ
 せなければならないある。だから、ウォンレイ・・・選びなさい。あなたに足りないものを教えるに
 は二つの方法があるよ。」
 リィエンの次の発言はウォンレイを当惑させるには十分であった。

「一つは、私があなたとほんとうの夫婦になること。」
「もう一つは、私があなた以外の他の誰かに嫁ぐことある。」

「リィエン、一体、それはどういうことだ?」
当惑するウォンレイに対し、リィエンはまるで慈母のような眼差しで見る。
「教えるあるよ。ウォンレイ、あなたは、守る王を目指しているある。でも、それは王のスタイルある。」
「王に必要なものが何かを、あなたは判っていないある。」
(王に必要なもの?)
ウォンレイは判らず、次の言葉を待った。
「それは、自分が守る、もしくは統べる人達の人生を背負うことある。他人の人生を背負う覚悟があるか
 どうかあるよ。」
「・・・・・・」
「私の人生も背負う覚悟のないままでは、あなたは王になれないある。それならば、私が他に、あなたの
 手本となる人を見つけて、その人に嫁いで外からあなたに教えるある。」

 リィエンの作戦はこうである。
まずはウォンレイに足りないものを指し示す。実際、ウォンレイには他者の人生を背負う覚悟が足りない
のだ。それは、あまりにもやさしすぎるところから来る、いわばウォンレイの美点でもあるが・・・・・・
 とはいえ、自分の胸にあれだけむしゃぶりついておいて、土壇場でやめるなんて、軟弱にも程がある。
ウォンレイの欠点に気づいたリィエンは、今回の件とは別としても、いずれウォンレイを改めさせなければ
ならないと思っていた。
 そのうえで。
まだ自分を選ばないというのであれば、やきもちを焼かせて、本音を引き出すという作戦だ。

「嫁ぐと言っても、リィエン、一体誰に嫁ぐというのだ?」
“そうきたあるか”リィエンは事前に十分シミュレートしておいた台詞を出した。
「清麿なんかいいあるね。結構男前だしやさしいし。」わざとニヤけた顔で言う。
「清麿に嫁ぐなんて、恵が黙ってはいないだろう。それに、清麿はまだ・・・確か14歳じゃなかったか?」
ウォンレイの脳裏に、自分達を救い、そして王への道を示してくれた、好青年の姿が思い描かれた。
「あなたより1歳若いけど、よっぽど性根座ってるあるよ。」ツンとするリィエン。
「・・・・・・」

 ウォンレイが黙ってしまったので、リィエンは第二弾を出した。
「フォルゴレもいいあるね。イタリアのスターだし。普段は軟弱だけど実際は誇り高い男ある。」
「彼はチチもげ魔だぞ!嫁いだって浮気されるに決まってる!」
 ウォンレイの脳裏に、「もいでますかぁ?」と爽やかに語るフォルゴレの姿が思い描かれた。
「もいでくれない人より、よっぽどいいあるよ。」ツンとするリィエン。
「・・・・・・」
 またもや黙ってしまうウォンレイ。よし、このまま第三弾。
「ナゾナゾ博士もいいあるね。博識だし財力もあるし。」
「年が違いすぎる。それにいつもトボけたことばかり言ってるじゃないか。」
 ウォンレイの脳裏に、ビッグ・ボインにボイン・チョップを命じるナゾナゾ博士の姿が浮かび、続いてボイ
ン・チョップをするリィエンの姿が浮かんだ。それは、イヤすぎる・・・
「ユーモアのある人って私、好きあるよ。」またもやツンとするリィエン。
「・・・・・・」
最後のネタで第四弾も投入することにした。
「サンビームさんも素敵ある。大人の魅力って奴あるね〜。」
「・・・もういい、リィエン」つぶやくウォンレイ。

 次の瞬間、ウォンレイはいきなりリィエンに抱きつき、そのままベッドに押し倒した。
「ウ、ウォンレイ!?」
リィエンの驚きの声を無視して、そのままギュッと抱きしめる。
「・・・私が悪かった・・・・・・君を失いたくないんだ、リィエン・・・」
「ウォンレイ・・・」嬉しさと同時にここ最近の悲しい気持ちがぶり返してくるリィエン。
感情をせき止められず、どっと涙があふれてくる。
「ばかばかばかぁっ!ウォンレイのばかぁっ!・・・うっ・・・ううっ・・・」
ウォンレイの頭を抱きかかえてリィエンは号泣きするのであった・・・・・・


 リィエンが恥ずかしいから、と言って照度を落とした室内は、足下からの薄いオレンジ
の照明だけで、別世界を作り出している。既にリィエンは服を脱いでベッドに潜り込み、
ウォンレイには背中を向けるようにして壁を向いている。
 ウォンレイの服を脱ぎ捨てる様子が、フットライトによって壁に巨大な影絵のように映し
出されるのを、リィエンはぼんやりとした気持ちで眺めていた。
 影絵なので、細かなディティールが見えない。ウォンレイが既に怒張しているのかどうか、
ちょっと興味があったのに残念と思うリィエン。
 ウォンレイはベッドに膝を掛けて布団に入り込もうとしたが、思い直して掛け布団をいき
なりバッと剥いだ。リィエンの腰から上が露わになる。
「ウォンレイ、何するあるか・・・」
「リィエンの美しい背中を見たかったのだよ。」
そう言うと、ウォンレイは指先でリィエンの背中をツツッと撫で上げる。腰の当たりから、
背骨に沿って指を這わせ、肩胛骨の間を抜けてうなじに至る。シニヨンキャップをはずして
いない為、髪を結い上げたままなので、うなじがくっきりと見える。
「ウォンレイ、寒いあるよ・・・」
「ならば、私が暖めよう。」
 ウォンレイはリィエンの背中側に添い寝し、左腕をリィエンの頭の下に差し入れて腕枕に
した。右腕で掛け布団をつかみ、二人の上にかけ直す。そうして、体をもぞ、と動かしてリィ
エンの背中側に密着した。

 リィエンは尻に固いものがあたるのを感じた。
“ウォンレイ、固くなってるある・・・”
リィエンの生尻に、パンツ越しにいきり立っているウォンレイの猛虎が食い込む。
「下も、もう脱いでいるんだね。」と囁くウォンレイ。
クククク、と笑うリィエン。
「引っかかったあるね。ちゃんと穿いてるあるよ。」
えっと驚き、あわててリィエンの尻全体をまさぐるウォンレイは、柔肌と違う布地の感触を見
つけた。

「今日買ってきたTバッグショーツある。見事に引っかかったあるね。」楽しそうに言うリィ
エンに、ウォンレイは無言で尻の割れ目に食い込む紐に指をくぐらせ、ぐい、と軽く引っ張った。
「あんっ。」
 ウォンレイに引っ張られた紐越しに、リィエンの敏感な部分に刺激が走る。
 無言のまま何度も紐を引っ張り、その都度リィエンを鳴かせてみるウォンレイ。
「あぁん・・・ごめんなさいある〜・・・もう許してあるぅ」
 紐を引っ張るのをやめて、今度は紐の上をなぞって尻穴から、秘裂に指を這わせてみた。流石
にその辺りまでくると生地は広がっているが、絹のレース地はただでさえ陰毛を透けて見えさせ、
ましてや今のようにしっとりと濡れそぼる状況ではほとんど地肌が見える。
 下着越しとはいえ、ウォンレイのソフトな指使いによる微妙な刺激に、リィエンは背筋がぞく
ぞくするような快感を与えられた。
“あ、私のあそこ・・・触られてるある・・・イイ・・・”
 一通り指を這わせて、リィエンの体がピクピク反応するのを楽しんだウォンレイは、腰部の紐
に手を掛け、Tバッグショーツをふとももまでずり下げた。
 そのまま股間を触られる、とリィエンが期待したのも束の間、ウォンレイは急にターゲットを
変えて、リィエンの胸に触ろうとし腕を取り・・・手が止まる。
笑い声をこらえるリィエン。
「リィエン、これは?」
「ヌーブラあるよ。簡単に私のおっぱいは見せないある。」そう言って、胸を腕で再び隠して、
ウォンレイに背を向けた。
「往生際の悪い・・・」
 言うなり、ウォンレイはリィエンの腕を取り無理やり仰向けにさせて、一気にヌーブラを取り
去った。
 美乳の丘の上に、ぷっくらとした乳頭が見えた。
 左手でリィエンの両手首を押さえ、吊るし上げるかのようなポーズに腕を押さえる。こうする
と、胸の形が一番よく見える。そのまま、右の乳房に吸い付くウォンレイ。

「あっ!」リィエンは思わず声を漏らした。
続けて右手で左の乳首をこねり始める。
 体が跳ね上がるかのような鋭敏な感覚がリィエンを襲い始める。気持ちイイのだけど辛い、そ
んな快感に、だんだんと息が荒くなるリィエン。
「あぁ・・・はぁん、あぁぁ、あぁぁあ・・・・・・」
右の乳房をじっくりと舐め上げていたウォンレイの唇がついに頂点にたどり着き、ねっとりと乳
首を口に含み始める。舌先と唇の湿ったソフトな感覚に、先ほどまでとまた違った快感が走り始
める。
“ウォンレイ、上手ある・・・はぁぁ、気持ちいい・・・・・・”
 しばらくウォンレイの愛撫に身を任せていたリィエンであったが、ウォンレイの股間の盛り上
がりを見て体を横向きに変えた。

 右手を伸ばしてウォンレイの肉棒を下着越しになで始める。
 ビキニパンツを突き破らんほどに怒張してるそれを、根元からツツツ、と指先でなで上げ、
先端を生地越しに手のひらでつつみ、こねるように、回すように、愛撫する。
「ウォンレイ、今日、新しいカッコイイパンツ買ってきたあるよ。今度はそれ穿いて見て欲しい
 ある。」リィエンはそう言いながら、ウォンレイのパンツを下げ始めた。
怒張したものが引っかかったが、なんとか脱がすことに成功すると、そこには赤黒い肉棒がそそり
立っている。すでに先端からは液体がにじみ出ている。
“ウォンレイも濡れてるある・・・”
 リィエンは人差し指と親指で輪を作るようにしてウォンレイの猛虎に被せ、上下にゆっくりと
動かし始めた。
「くぅっ、リィエン、気持ちいいよ・・・」ウォンレイがたまらず、呻いた。
しばらくその動作を続けるが、リィエンは自分の秘所の疼きももどかしくて体勢を自分から変えた。
 四つんばいになる。
 あえて、雌豹のような体勢で、ウォンレイの猛虎に頭を寄せる。
 触ってもらえることを期待しながら、お尻をあえて突き出してみる。
 リィエンはそして、右手で肉棒をしこりながら、左手で根元の袋をやわやわともみし抱き、亀頭
を口に含み始め、そのままゆっくりと頭を上下させ始めた。
 リィエンの愛撫に感激しながら、ウォンレイは自分のすぐそばにあるリィエンの尻に目を奪われ
た。ぷりん、とした肉付きに、丸みを帯びた優美なラインに、雄の本能が揺さぶられる。

 ウォンレイはリィエンの股下に頭を潜り込ませ、尻を両側からむんず、と掴みもみ始め、リィエ
ンの秘裂に舌を這わせ始める。
「うぶぅぅぅ!」
肉棒で口を塞ぎながらも、思わず声が出るリィエン。
 ウォンレイは構わず秘裂を舐め続け、襞びらを唇で甘噛みし、秘粒の包皮を向いて舌を這わせた。
「あはぁあああ!あぁん、そこ、すごくイイの!」リィエンはたまらず肉棒から口を離し、叫び声
を上げた。
 もはや襲い来る快楽に勝てず、ウォンレイの肉棒を握ったままへたり込む。
「あぁ、あぁ、あぁぁん、はぁん、い、いいあるよ、ウォンレイ、いいあるよぉ・・・あぁ、あぁ
 ぁぁぁ、イイ〜、気持ちイィ〜。」
 リィエンの淫らな叫びに、ウォンレイの猛りももはや限界に近くなり、ウォンレイは体をリィエ
ンの下からすべり出した。
そのまま、膝立ちになってリィエンの背後に移動し、魅惑的な尻を両手でしっかり掴む。
「リィエン、いれるぞ。」
「はいある〜。」リィエンは必死に答えた。猛虎を秘壺にあてがうウォンレイ。

 自分の膣口にウォンレイの先端が触れる。どくん、と心臓の鼓動が跳ね上がるように感じた。
ウォンレイの肉棒が中に入ってくる。十分濡れてるし、感じてるから痛くはないはず。ずぶぶぶ、
と入ってくるにつれ、膣壁がぐぐ、と圧迫される。それでいて次の瞬間には、濡れた自分の秘肉が
ぎゅうぅ、と猛虎を締め付け、同時により奥へ誘うかのようにぜん動する。
 自分の体内に、別の存在が侵入する、どんどん圧迫してくる、という感覚に、得もしれぬ恐怖感、
そして背徳感を覚えるリィエン。

 ほどなくして、何かが猛虎の前に立ちふさがっていることにリィエンは気付いた。
“そこが、私の処女幕あるか・・・”
ぶつ、と言う感覚と同時に脳内が真っ赤に焼けるかのような痛み。
「くっ!」体がびくっと震えた。
「大丈夫か?リィエン?」
「大丈夫あるよ・・・そのまま、入れてぇ。」
 ウォンレイにお尻をぎゅう、とさらに力を入れて掴まれ、一瞬、気がそちらに向いた直後。
 ずるぅぅぅぅっ!
 痛みがまだ残っているうちに、一気に奥まで突き入れられた。
「あうぅぅっ!」思わず出るうめき声。

 はぁ、はぁ、と荒い呼吸をしばらく整え、破瓜の痛みが少し薄れてくると、リィエンは自分の
感覚を確認した。
 膣口がぎりぎり、とウォンレイの肉棒を締め上げている。自分でも締め付けすぎて痛いのに力を
抜くことができない。膣壁は何か詰まっている感じで良く分からない。それと、何か判らない自分
の器官が、ウォンレイの先端にぐいっ、とされているのを感じる。
“これが子宮口かしら。ここでウォンレイに出してもらったら、子供出来ないかなぁ・・・”

「リィエン、動いてみていいかい?」
「い、いいけど、ゆっくりお願いある・・・」
 ウォンレイはその声を聞き、ゆっくりと、まずは腰を引き始めた。
「あぁぁっ!」
 膣壁が、初めて快感を得る。先ほどまではただモノが詰まっているかのような感覚だったのが、
ウォンレイの肉棒が引く際に肉襞が擦られ、体が燃え上がるような快感が体内から背筋を駆け上が
る。続いて突き入れられると、子宮口が突撃を受けて、頭の中に火花のような快感が飛び散る。
膣口は肉棒を咥えながら、びりびりとした快感を出し続ける。
「あぁ、イイ、気持ちイイある、頭がとろけそうあるよぉ。」

 ウォンレイもリィエンの味に酔いしれていた。始めはリィエンを気遣ったものの、快感に押さえ
が効かなくなる。自らの腰の動きと、ベッドのスプリングの反動とで、ぱん、ぱん、ぱん、ぱんと
猛烈な速さで腰を打ちつけ始めた。肉棒が擦られて射精感がどんどん高まってくる。リィエンも
快楽の波の間隔がどんどん狭まってくる。体が突き上げられるたびにより一層の快楽が体に広がっ
ていく。二人の快感はぎりぎりまで膨張して・・・
「あぁぁぁぁ!あぁぁぁ!あぁ、あぁ、あぁぁぁぁあ!あ、だめ、もうだめぇ、だめあるぅ、は、
 は、は、あ、はぁあ、イク、イク、イクゥ、イックゥ!」
「リ、リィエン、出るぞっ!」

“ひく、ひくん”
“どくっどくん”
 ウォンレイの熱いものが子宮口を打ち付けるのと同時にエクスタシーに導かれ、リィエンは幸せ
な気持ちになった。ベッドの上にへたり込みながら、真っ白になりかけた頭の中でリィエンは思う。
“離れ離れになっても、今日のことは忘れないあるよ・・・・・・子供が万が一出来たら、嬉しい
 なぁ・・・”
燃え上がるかのようなまぶしい光を感じながら、リィエンは一時気を失うのであった・・・
 

「リィエン!リィエン!」
“う・・・ん・・・まだ、眠いある・・・”白濁した意識のなかでリィエンは呟く。
「リィエン!起きてくれ、リィエン!」
“愛しのウォンレイある・・・夢でも会えるなんて嬉しいある・・・”
「ひゃうっ!!」右乳首に、ぴりっとした痛みと快感を感じて、リィエンは一気に目が覚めた。
 見ると、ウォンレイが自分の乳首に口付けしながら、上目でこちらを見ている。

「やっと、起きたか。」
「ウォンレイ、痛いあるよ〜。」泣きまねをするリィエン。
「すまない、リィエン。しかし、起きて欲しかったんだ。見てくれ、本が光っている。」
体を起こして、ウォンレイが指し示す方を見ると、確かに魔本が光っている。
 リィエンは裸のまま、ベッドから降りて魔本を手に取った。
「新しい呪文が出たのだろうか?」
リィエンはなんとなく、本を開くのが躊躇われた。
「ウォンレイ・・・もし新しい呪文だったら、これ、さっき二人でイッた時に出たあるか?」
気を失う直前の光をリィエンは思い出していた。
「だと思う・・・」
「だと、すると・・・これ、おそらく戦闘用の呪文と違うと思うあるよ。」
困惑した微笑みを返すリィエン。そして、魔本のページを繰ってみる。
「どういうことだ?」問うものの、ウォンレイはむしろ、裸のリィエンのおっぱいに気が向い
てしまう。全裸で魔本を持っているリィエンも魅力的なのだ。股間が再び元気になりかけたこ
とに気付くウォンレイ。
「や、やっぱりある・・・名前からして、大体想像つくあるよ・・・これ、絶対、恵達には教
 えられないあるな・・・」思わず頭を抑える。
「何だか良くわからないが、戦闘用でないのなら、今唱えても大丈夫なのだろう。リィエン、
 唱えてくれないか?」
 リィエンはウォンレイの股間を見た。半立ち状態になっているようだ。たぶん、これに・・・
「じゃ、じゃぁ、唱えるあるよ。『ぺ、ペニドルク!』」
「う、うぉぉぉぉ!」驚くウォンレイ。
ウォンレイの股間が光、見る見るうちに変形を開始する。その大きさ、形状に・・・
「ウォンレイ、流石にそれは・・・」
“入らないあるよぉ〜!!”

 顔を真っ赤にして困り果てるリィエンであった・・・


(end)

左メニューが表示されていない方はここをクリックしてください