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146 の続編

クリスマスも近づいたある日。
清麿の家に遊びに行っていたティオがパーティの招待状を携えて帰ってきた。
「清麿のお母さんがね、恵も連れて来てねって言ってたよ」
清麿と想いを交わし合って以来、仕事に追われて逢う事すらままならない日々が続いていた。
初めて出来た恋人との二人きりで過ごす聖夜にも少しは憧れたが
「せっかくのお誘いだもんね。いいわ。その日なら何とか時間つくれるから」
と喜んで招かれる事にした。

「ウム!いらっしゃいなのだ!!!」
「やぁ!ティオ…恵さん」
クリスマスパーティの当日。清麿が笑顔で出迎えてくれた。
少し照れたような、優しい笑顔。
それを見られただけでも来た甲斐があった、と恵は思っていた。
クリスマスツリーの電飾が華やかに彩られた居間には
ケーキやごちそうがすでに並べられている。パーティとは言っても
ごく普通の家庭のクリスマスと変わらないありきたりのものだったが、
普段家族と離れて暮らしている恵には
その"ありきたりの光景"がとても幸せなものに感じられた。


ささやかで楽しい時間は瞬く間に過ぎていった。
「あ、もうこんな時間…そろそろ帰らなくちゃ」
ふと横を見ればガッシュとティオがすやすやと寝息を立てている。
ティオを起こさなきゃ…と手を伸ばそうとした恵を華が止めた。
「せっかく眠っているんだし今日くらいティオちゃんはうちに泊めればいいわよ。
清麿、恵ちゃんをお家まで送っていってあげなさい」
「ああ、わかった。じゃあ支度してくるから」
清麿は当たり前のように返事をすると準備をするために部屋を出ていった。
家まで送ってもらうとは考えていなかった恵が思わず華に詰め寄る。
「あの…今から家まで送ってもらったら電車が…清麿くん帰れなくなっちゃいます」
「…今日くらいは二人きりで過ごしたいでしょ?…私から恵ちゃんへのプレゼントよ」
動揺した表情の恵を見て、華はにんまりと笑うとこっそり恵の耳元に囁く。
想像もしなかった華の行動に恵は顔を赤らめて頷くしかなかった。

モチノキ町から電車で恵の地元につくころには清麿が帰る方向の終電は終わっていた。
どうやら清麿はそれを知らなかったようで慌てふためいている。
「ごめんね…送ってもらっちゃって…。とりあえず家に行こう?」
内心はといえば自分の好きな人を急に家にあげることになって頭の中はパニックだったのだが、
恵はあえて意識していない風を取り繕いながら慌てる清麿を誘って歩き出そうとする。
「でも、恵さんっ!」
さすがにいくら恋人とはいえ女性の家に泊まる訳にはいかないと思ったのか
清麿は恵についていきながらも抵抗を続けていた。
「…うちに泊まるの嫌?」
「……う…嫌じゃない……」
そんな問答を続けているうちに、冷たい雨がぽつり、ぽつりと降り始めてきた。
「清麿くん、とりあえず急いで帰りましょ!」
「あ…ああ!!!」
清麿の背中を押すようなタイミングで降り始めた雨は
二人が家につくころには土砂降りになっていた―――


家に帰り着くころには二人ともずぶ濡れになっていた。
雨に濡れた恵の服はうっすらと透けている。
それに気づかずに恵はぱたぱたと家の中を走り回っていた。
「あ、これで体拭いて!お風呂今沸かすね。えっと…暖房つけて…」
「恵さん…あの…」
ふと清麿のほうを見ると、らしくない態度でそわそわしながら顔を真っ赤にさせている。
「…どうしたの?なんか、顔が真っ赤よ…熱でも出ちゃった???」
うつむいたままの清麿に近づくと、おでこをこつんとさせて体温をたしかめる。
次の瞬間、恵はぎゅっと抱きしめられてしまった。
「き…清麿くん…っ」
不意打ちのような抱擁に二の句が告げられないまま、
それでも抱きしめられている事がたまらなく心地好い。
「恵さん…ごめん…我慢、できない」
清麿の低い声が耳元で囁くと、ぞくりと何かが体を走る。
唇に柔らかな感触を感じ、恵は目を閉じてそれを受け入れた。

雨音だけが静かに響く部屋に僅かに水音が混ざり始める。
「ん…ふぁ…っ…んはぁっ…」
息継ぎをしようとするたびに喉から洩れる声が徐々に艶めいていく。
清麿の指が耳元をかすめ、首筋を辿ると恵の躰がピクっと跳ねる。
「…恵さん…好きだ…」
清麿の唇が少しづつ下に降りていく。
恥ずかしさのあまりに抵抗しようにも、躰がそれを許さなかった。
ぎこちない手つきで胸元のボタンが外されていき、
ブラに包まれた豊満な胸元が露わになると
清麿の手が触れるか触れないかの力でブラ越しの胸を撫でる。

「やっ…ぁあ…あっ…」
初めての快感に、恵は声が出るのも止められずに感じてしまう。
ブラをゆっくりはずされると清麿の舌が恵の胸を愛撫し始めた。
「ひぁ…っ!!!あぁあっ…」
柔らかな乳房を優しく揉みしだき乳首をゆっくりと舐めまわしながら
ゆるゆると片手が恵の秘部に降りていく。
「やぁっ…!は…恥ずかしいよぉ…」
愛撫に目を潤ませながらも、さすがに恥ずかしくなって
恵は思わず清麿の手をひしっと掴んだ。
「恥ずかしくない…恵さんの…全てが欲しい…」
普段であれば決して出ないであろう清麿の言葉に、掴んでいた手の力が抜ける。

するすると下着が脱がされていき、恵の股間に清麿の指がそっと触れる。
溢れかえった蜜でとろとろになっていたそこは、指をするりと受け入れてしまった。
「ふぁ…んっっ!ぁああ…」
くちゅくちゅと淫らな音が部屋の中に静かに響く。
纏わりつく蜜壷の中にある僅かなふくらみを指で軽く刺激するとひくひくと締め付けてきた。
恵の息が急激に荒くなっていき、蜜が太腿を零れ落ちてくる。
「い…いやっあああ…やぁあ!なんか…なんか変…っっ…」
「恵さん…凄い…あふれてる…」
清麿の指が激しく責めたてると、それまでにないほどの感じかたで恵の躰が跳ねた。
「…あぁ!ダメぇ!ダメえええぇっ!!!…ぁぁあああっっ!!!」
びくっと軽く痙攣すると、恵は軽く達してしまった。

「…もう我慢できない…入れるよ…」
腰を軽く持ち上げて清麿の自身をどろどろになった恵の蜜壷にゆっくり沈めると、
初めてとはいえ達して間もないせいかすんなりと根元まで埋まってしまった。
「んぁ…っく…ふぅ…」
「く…っ…恵さ…ん……」
「清麿くん…っっ…あぁっ…」
ぎこちない動きで恵の躰を埋め尽くすと、恵のあられもない姿に
完全に理性が吹き飛んでしまったのか清麿の動きが徐々に激しくなっていく。
「ああっ…ん…っ…」
初めのころは多少苦しそうにしていた恵の声も徐々に喘ぎ声に変わり
清麿の動きに合わせるかのようにぐちゅぐちゅと淫らな音が鳴り響いた。
「清麿く…キス…して…」
舌を絡めあいながら挿入を繰り返していると、清麿の中になにかが溜まっていく。
「うぁ…恵さ…ん…オレ……もう…っ出る……っ!!!」
「清麿くん…っ…んぁあっ…ふあっ…ぁあああーーーっ!!!」
初めての絶頂に、ふたりはそのまま重なり合ったまま動くことが出来なかった。


「…ごめん、恵さん。オレ、なんて言うか…その…」
次の日、起きた瞬間に清麿が血相を変えて謝り倒してきた。
あまりの必死さに可愛くてたまらなくなってしまう。
「清麿くんだからいいの」
恵が頬を赤らめながら清麿の頬にキスをすると、清麿の顔が真っ赤になった。
「…最高のクリスマスプレゼント、貰っちゃった」
「え?」
「…なんでもないっ!」

嬉しそうに笑う恵を見て、よくわからないけれど
清麿も思わず微笑んでしまうのであった―――。


「END」

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